ハウスメーカーから「暮らしのコンサル」へ。アキュラホーム「ランドサーチ」事業立ち上げ秘話

パープル

written by 田野百萌佳

「匠の心」を大切に、木造技術にこだわった注文住宅を提供してきた大手ハウスメーカーの株式会社アキュラホーム。そんなアキュラホームは、住宅を建てる前段階の「土地探し」に注力すべく、新たに「ランドサーチ事業部」を立ち上げました。今回は、土地仲介に着眼した理由をランドサーチ事業部長の敦賀さんにインタビュー。そこには、アキュラホームならではの精神、そして敦賀さんの原体験が深く紐づいていました。

敦賀裕之さん

敦賀裕之さん

株式会社アキュラホーム 執行役員ランドサーチ事業部長
広告系の大手グループ会社に入社し、グルメメディア、不動産部門等で新規事業立ち上げを多数経験。30数年経ち、アキュラホームへ転職。アキュラホームでは前職から課題に感じていた「土地仲介」に専念する部署の立ち上げに参画し、事業部長を務める。

「みんな本当はここに困っている!」前職30年のキャリアを経てアキュラホームへ転職した理由

 


ーーーまず、敦賀さんがアキュラホームでランドサーチ事業部長に至るまでの経緯を教えてください。前職の内容を含め、なぜ転職しようと思ったのでしょうか?

 

敦賀:シンプルに、前の会社に長く居すぎたからです。

もともとは広告系の大手グループ会社に24歳で入社しました。そこから某有名グルメクーポンマガジンなどの新規事業立ち上げや不動産部門で事業エリア拡大の責任者などを担当してきました。

しかし、同僚はほとんど30代後半から40歳までには転職してしまいました。そもそもが3〜10年で「卒業」という文化がある会社でしたが、私は色んな事業をやらせてもらっていたから、気づいたら30年以上経っていました。その先は必然的に転職を考えました。

 

ーーー大手で事業責任者を勤められたというと、一般的には「ハイキャリア」と呼ばれるご経歴をお持ちかと思います。実際に今、事業部長というポジションにいらっしゃいますが、どのようなことを重視しながら転職活動されていたのですか?

 

敦賀:それが、かなり悩みました。今まで1社しか知らなかったので。そこで「自分の好きなものは何なんだろう?」と考えてみたのですが、全くわからない。なので昔の仲間に「俺、何好きだった?」と聞いたりもしました。

昔の仲間や上司は、私に「ゼロからイチを作る人」「冒険が好き」というイメージを持っていたそうです。確かに私はみんなが無理だと思っていることでも、どうすればできるかを考えて、失敗して、また手直しして、再チャレンジして、ということを繰り返してきたし、できた時の快感も味わってきたと思い返しました。その時改めて、私は「誰も見たことがない世界」に興味が湧くのだと認識しました。

そんな時に登録していたエージェントを通じてアキュラホームが新規事業部の立ち上げを検討しているというお話をいただきました。
新規事業である「ランドサーチ事業部」の内容を聞いて入社を決め、今に至ります。

 

ーーー「誰も見たことがない世界」に対する興味関心を転職活動の軸にしたのですね。その中でも、アキュラホームのランドサーチ事業部のどんなところに惹かれたのですか?

 

敦賀:事業の立ち上げ背景が大きく関わってきます。

注文住宅を建てる時の流れは、もともと持っている土地に建築するか、不動産仲介会社にて土地を契約後にハウスメーカーで注文住宅をご契約いただく、というビジネスフローが一般的です。アキュラホームでももともとそうしていました。昔は「既にある土地に家を建てたい」という方が半数くらいだったので土地探しのお手伝いはそれほどしていませんでした。

でも近年は弊社の住宅展示場に来るお客様の約7割が土地から探されるようになってきたので「土地探しからアキュラホーム内で担えるようにしよう」という背景で、土地仲介専門部隊「ランドサーチ事業部」を立ち上げるという話が出ていました。

一方、私も前職で不動産分野を長く担当しており、やはり注文住宅を建てるうえでの最大のネックは「土地」だと感じていました。というのも、土地を先に契約してしまうとその後のプランが狂ってしまうことが多いのです。
1つは、最初に思い描いていた建物を予算内で建てるのは難しくなるということ。土地というものは見れば見るほどいい場所を選びたくなりますから。でも先に土地を買ってしまうと、理想の家を建てられるだけの予算が残せなくなり、多少なりとも妥協して家を建てることになってしまうケースが多くあります。

もう1つ、土地を買ったあとに「この土地にはこういう条件の建物は建てられない」とわかるケースも結構あります。

限られた予算や土地の条件に制限されて、希望通りの家が建てられない。本当はみんなここに困っているんですよ!

家を建てるタイミングは、例えばお子さんが小学生になる前などが多いですよね。入学後の引越しは転校を伴うことにもなるので、入学前に土地が決まらなかったら家を建てること自体「もういいや」って諦めてしまいがちでしょう?そういう事例をたっくさん見てきたんです。
それをちょっと、なんていうのかな、、やっぱり少し変えられたら面白いだろうなって。

 

ーーーまさに、これまでの新規事業をゼロイチから立ち上げてこられたご経験や、もともと抱えていた思いにマッチして入社を決めたのですね!

 

「永代家守り」のアキュラホームだからこそ、土地仲介事業に力を注ぐ

 

 

ーーー土地がネックだと感じていたとのことですが、アキュラホームさんのようにハウスメーカーが土地のみの仲介事業に力を入れることは珍しいことなのでしょうか?

 

敦賀:多くはないと思います。なぜなら、土地って取引単価が低いから。(笑)
弊社も、土地仲介で儲けるつもりは全くないのです。私たちの事業部ではお客様から直接仲介手数料をいただくこともありません。
ではなぜやるか。これはランドサーチ事業部を立ち上げる時期にほぼ毎週社長とブレストをしている中でも話してきましたが、大事なのはアキュラホームでお家を建てていただきたいということ。
アキュラホームが大事にしていることの1つに、「永代家守り」というキーワードがあります。社長がこの会社を設立した頃から大事にしている思想の1つです。要は、「ずーっと満足した暮らしをしてほしい」というのが根底にあるのです。
建物は気に入っても、住んでみないとわからないことってありますよね。でも「やっぱりこの場所にしてよかったね」「この家を買ってよかったね」とずっと思ってもらいたい。そのためにやっているんです。

 

ーーー素敵です。温かい気持ちになりました。そのうえで、ランドサーチ事業部が具体的に意識していらっしゃることは?

 

敦賀:良いことだけではなく、悪いことも正直にお客様にお伝えします。要するにネガティブチェックですね。宅建業法で、事故についてはどこの会社でも言う義務があるのですが、私たちは騒音や匂いなどの周辺環境についても全部お伝えします。例えば、「土日は閑静な住宅街なんだけど、月曜の朝は車の抜け道になってる」など。そういったことは伝える義務があるわけではないので、一般的には住むまで知らないということが多くあります。でも私たちの事業部では、土地を契約する前には周辺調査をしています。気に入っていただいた土地には必ず足を運んで、様々な角度から調査を行います。

 

ーーー全ての土地に直接足を運ぶのですか!?

 

敦賀:全てです。そこまでやる会社は珍しいと思うので、結果すごく信用していただけますし、ざっくばらんに何でもご相談いただけるようになっています。

やっていることは「ハウスメーカー」というよりもう、「暮らしのコンサル」ですね。お客様が「どこの場所でどんな暮らしをしていきたいか」を伺い、気に入った土地を絞り込む。土地が決まったら、土地の調査に多くの時間をかけます。最終的には住宅事業部にバトンタッチしますが、家を建てていただくまでの手前の部分のコンサルに徹するイメージです。

ここまで来ると、どんな思想でこの事業が成り立っているかが大分わかっていただけるのではないでしょうか。

 

ーーーはい...!「暮らしのコンサル」という言葉通り、儲けるためではなく、お客様に本当に居心地が良い家にずっと住んでいただくことを根本から考えた結果、土地探しに専念できるビジネスフローになっているのですね。

 

敦賀:そうです。とはいえ、なぜそれが成り立っているかというと、結局住宅展示場の集客ができているから。住宅事業部側でたくさん宣伝してくれているし、良い接客をしてくれているからです。展示場の集客は土日が勝負なので、私たちもそこでお客様と商談するのですが、平日はチラシをポストに投げ込んだりなどせずに、土地調査に専念できるようになっています。

 

「自分で良いと確認できたものを、自分で提案する」ランドサーチ事業部に集まるメンバーに共通するこだわり

 

 

ーーー徹底的な土地調査をする会社さんは珍しいとのことで、それ以外の部分を効率化できているとはいえ、かなり根気のいるお仕事をされているかと思います。そんなランドサーチ事業部で働くメンバーにはどんな方がいらっしゃるのですか?

 

敦賀:これまでのキャリアですと、不動産の仲介をずっとやっていた方、他のハウスメーカーで営業をしていた方、土地の仕入れをやっていた方が多い印象です。それぞれ全国で売上No.1、新規事業立ち上げ経験など実績を持つ方もいます。
そのうえで、やはり自分で良いと確認出来たものを自分の言葉で提案することにこだわってきた方が多い気がします。これがもしかしたらランドサーチ事業部のキーなんだろうなと思っています。

不動産営業というと、「毎月いくら売上立てなさい」というノルマがあり、上司には「いつ決まるんだ」と言われ続け、無理にでも売り上げを押し込むということがあります。それに対して「今やってることって本当に自分がしたいことなのかな」と感じている方も少なくはありません。でもアキュラホームではこれと真逆で、もちろん目標は追いつつも「人の為に本当に喜んでもらう仕事ってこういうことなのか!」とみんな口を揃えて言っていますね。

 

ーーー皆さんそれぞれ関連する業界で活躍していながら、ベースは「本当に人のためになることをしたい」「本当にいいものを自分で確かめて提案したい」という想いを抱えてきた方が集まっていらっしゃるのですね。

 

敦賀:そう。だからお客様にも「アキュラってこういう精神があるんだ!」と感じ取ってくださる方が多いみたいです。土地選びの段階で「住宅ももうアキュラさんに決めました」と言ってくださる方も多くいらっしゃいます。スタッフ全員がお客様からそんな言葉をいただけるようにしていかないとな、と思っています。

 

ーーーでは今後、チームにどんな方が来てくれると嬉しいですか?

 

敦賀:やはり土地を自分で見るので、不動産仲介営業の経験があると嬉しいですね。ただ、「ガッツリ稼ぎたい!」という方よりは、「新しいことにチャレンジしたい!」という方のほうが楽しめるかと思います。
正直に言ってしまうと、この事業ではまだカチッと決まった超鉄板法則が見つけられているわけではありません。「こうした方がよくなるんじゃないの?」「こうしたら事業が成長するんじゃないか?もっと喜ばれるんじゃないか?」と自分で考えて、皆とも考えてやり方を探っている状態です。
環境としては、1人が2箇所程度の展示場を担当するイメージです。最近は会えるようになってきましたが、会議もZoomが主なので、そんなにたくさんの仲間が常に横にいるかというとそうではなくて。なので集団で指示待ちでやっていくというよりは、経験を生かして自分なりに「こうやったらうまく行った」などと考えてチャレンジするのが好きな方と一緒に働きたいです。

 

ーーーそういった方が増えた暁には、ランドサーチ事業部をどのように成長させていきたいですか?

 

敦賀:今は各都道府県につき数人ずつのチーム体制になっていますが、これから人が増えていくとさらにサービスの展開が広くなっていくと考えます。するとそこには部長がいて、課長がいて、メンバーがいるという組織体制になるはずです。そうなった時に、責任者になるような方が出てきてほしい。そのように先頭に立ち、「次はこのゴールに向かって皆で頑張っていきましょう!」という話ができる方を増やしていきたいですね。

 

ーーー今敦賀さんが事業部長として担っている役目を、一緒にできるメンバーが増えていくとワクワクしますね。

 

自分の仕事が「世の中にあってよかった」と感じられるように。不動産業界のこれからにかける思い

 


 

ーーーでは最後に、現在の敦賀さんが働くうえで大事にしている考え方や価値観はありますか?

 

敦賀:「今まで不便さがあったけど、こんな風に出来るようになったんだ」ということに対する喜びは昔から感じていましたが、やはり経験が積み重なれば積み重なるほど、「自分が仕事を通してマーケットの役に立ってるのかな」という考えが強くなってきました。このサービス、お金を稼ぐ事も大事ですが、それだけだと何にも面白くなくて。自分で立ち上げた事業が「世の中にあってよかった」と感じられることが何よりだ、という気持ちが今は強いです。それもあり、「お客様がアキュラで土地を探して、アキュラで家を建てたいと思っていただくにはどうするか」というのは今のメンバーにも伝えています。

それに、不動産業界そのものを変えていかなければなりません。これから人口もどんどん減っていくし、そもそもランドサーチ事業部が今後ビジネスとして成り立つのかというのが一つの問題。ただ、シンプルに考えると土地がないと家が建てられない。逆に言うと、土地があれば家が建つということです。つまり、私たちが活動した分だけ家が建つんです。
するとやはり、そこにはお金が生まれる仕組みが作れるはずだと考えます。是非そういったところに面白さを感じてくれる方が来てくれると嬉しいです。

 

取材後記

「お客様に一生満足できる家で暮らしてほしい」というアキュラホームと敦賀さんの思いが合致し、立ち上がったランドサーチ事業部。ハウスメーカーの枠を超えた徹底的な土地調査の内容にも誠実さを感じました。「暮らしのコンサル」へと絶賛成長中のランドサーチ事業部。不動産業界に携わりながらも、「根本からお客様のためになる提案がしたい」と考えたことのある方はぜひ、アキュラホームの求人を覗いてみてください。

株式会社アキュラホーム  ランドサーチ事業部の求人

https://hr-hacker.com/aqurahome

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