自分の夢が実現できる場所――障がい者就労支援サービスを管轄するマネージャーが語るリボングループの内側

パープル

written by 大久保 崇

医療の専門家を多数配置し、運営している障がい者就労支援サービスを運営しているリボングループ。障害を持った方が「自分の人生を自分らしく生きたい」、「また元気に働きたい」そう願い、同社を訪れる方は多く、地域からも必要とされています。

そんな就労支援サービスを管轄するのが、今回インタビューさせていただいた関 美行(せき みゆき)さんです。お話を聞き、感じた印象は、自分のことよりも、与えられた役割や一緒に働く仲間のことを第一に考えるGIVE精神を持った方だということ。

そんな関さんに、全国的にも珍しい医療の専門家による就労支援サービスの内容から、リボングループという会社の文化まで詳しく教えていただきました。

 

【インタビュイー】

関 美行(せき みゆき)さん

精神科病院に10年間勤務を経て2016年に株式会社リボンに入社。現在は就労移行支援事業所の管理業務に従事。週末は社内施設にてカフェ営業を行う。

就労移行支援事業所リボン

 

作業療法士など医療の専門スタッフがサポートする全国でも数少ない障がい者就労支援サービス

――関さんはどういった経緯でリボングループに来られたのでしょうか。

精神科の病院で作業療法士として約10年ほど勤めていたのですが、退職してリボングループに転職しました。いつか自分のカフェを持ちたかったので、調理学校に通いたかったんです。とはいえ生活するためには仕事を続けなくてはいけないので、働きながら学校に通える方法を探しました。

それで、自分の経験を活かせる業界でパートタイマーとして働ける場所を探していたところ、たまたまネットでリボングループを見つけたんです。そしてリボングループで働きながら、調理専門学校の夜間部に通い始めました。

 

――これまでの経験を活かせるところで働きながら、自分のカフェを持つために学ばれていたのですね。そこからどうして今の立場になられたのでしょうか。

学校に約1年半通いましたが、生活的に楽ではなくなってきたので働く時間を増やすことにしたんです。それからは正社員として約7年間、障がい者の就労支援の部署で仕事をしてきました。

今は管理者としての仕事が主で、現場の仕事はしていません。リボングループには就労支援をしている事業所が千葉県市川市の本八幡と、東京江戸川区中の葛西にあるのですが、私は本八幡の管理を任されています。

 

――就労支援とは具体的にどのようなことをされているのでしょうか。

ビジネスマナーやコミュニケーションの取り方などを学校のような授業形式で教えたり、実際に勤めたい職業に合わせた個別訓練をしたりしています。あと利用者様は何らかの障害をお持ちの方々ですので、一緒にお仕事を探しに行ったり、会社見学に同行したりなどのサポートも行っています。

人が自己実現をしていくためにも、仕事をすることは社会との繋がりを保つためにも大切な行動です。だからこそ、「障害や病気を持った方にも、しっかりと仕事ができるようになっていただきたい」という代表の想いから就労支援の事業が作られました。仕事が決まるまでの訓練を提供する就労移行支援サービスと、就職後も最大3年半サポートする就職定着支援サービスを提供しているので、長期的に利用者様をサポートしています。

私たちの支援を利用する方は、脳梗塞や脳出血を起こし半身に麻痺がある、高次脳機能障害で記憶力の低下や注意力が散漫になる、など身体障害を持った方が多くいらっしゃいます。こうした方々が就職することはかなり困難です。そのため、支援も大変になるので他では受け入れられないことがあるのですが、私たちは受け入れられます。

リボングループの大きな特徴は、適切な訓練をするために作業療法士や理学療法士など専門職のスタッフをかなり手厚く配置していることです。医療の専門知識があるので、利用者様の状態や能力を適切に評価できます。治せない障害をお持ちの方の場合は、伸ばせる能力を見つけて訓練していくのですが、その判断や訓練プログラムも的確です。

 

――専門家を手厚く配置するというのは、代表の長島さんも語っていたようにリボングループがこだわっている部分ですね。

そうですね。専門家の評価があることは、雇い入れる企業様にとっても安心材料になります。そして企業様から見た当社の信頼度が高まれば、利用者様にとっても働き先の選択肢や可能性も広がります。こういった信頼材料がある就労支援をしているところは、全国的に見てもほとんどないと思いますね。

 

▼代表の長島さんインタビュー記事
リボングループとは?業界初“教育の仕組み化”から本当に心の通う支援を目指す専門家集団【代表インタビュー】

 

本人にとっては予期せぬ形で背負った障害。共に向き合い、新しい働き方を見つけるまで支えていく

――大きな障害を抱えた場合、その状態は訓練で良くなるものなのでしょうか。

劇的に良くなることは難しいですね。そのため「障害を治す」というアプローチはあまりしません。ご自身の障害を正しく理解し、自ら対策が取れるようにできることを目指したアプローチをしています。例えば、記憶力が悪い場合はメモの習慣を身につけるなど、障害にあった対策を自ら実行できるように訓練するなどですね。

 

――ご自身の障害を理解し受け入れるというのは、決して簡単なことではないと思います。中には受け入れられず悩む方も多いと思うのですが。

その通りですね。生まれつき持っていたものではなく、事故や病気など、なんらかの理由によって突然障害を持ってしまったのですから当然です。自身の障害を受け入れる、というところでかなり時間がかかってしまう利用者様は多くいらっしゃいます。丁寧にコミュニケーションを取りながらケアしていくところですね。

ただ、本当に難しいのがその次で、ご本人がしたい仕事と実際にできる仕事を合致させていくことです。ここがかけ離れていると、その分、ご本人も苦しくなり苦労させてしまいます。

40~50代の働き盛りで、家庭を支える立場にある方の場合は、「なんでもいいから、とにかくできる仕事しよう」と思い、できる仕事を優先的に探していくので悩むこともないのですが、必要に駆られていない状況だとそうはいきません。

障害がなかった時と同様に、自分がやりがいをもって働ける仕事やチャレンジしてみたい仕事に就きたいと考えるので、理想と現実のギャップに苦しんでしまいます。そういった方のモチベーションを保つのは簡単ではないですね。

 

――当事者の気持ちを考えると本当に辛いところですね……。

「この仕事がしたい……!」という気持ちが諦められないのはとてもよくわかります。ただ、どれだけご本人がしたいと思っていても、実際にできないことは多々あるんですね。そんな時はコミュニケーションだけでなく、企業の実習に参加していただき、言葉ではなく体験から理解していただくなど工夫するようにしています。

仕事に対する価値観は人それぞれです。「あなたにとって働くとはどういうことか」、「働いてどんな人生を歩んでいきたいのか」など、利用者様の価値観を理解しながら、少しずつ受け入れていただけるよう心がけています。

 

――障がい者の就労支援は、とても意義のある事業だと感じました。関さんの役目は、そんな現場のスタッフをサポートしていくことでしょうか。

そうですね。心強いスタッフがたくさんいるので、現場のリーダーが解決できないことがあった際の相談を受けるくらいです。仮に私がいなかったとしても、全く問題なく機能すると思います。

管理者がいなくても運営できる組織を作ることが私の一つの目標でもありました。現場のスタッフだけで運営できるようになれば、一番安心できるのは現場です。とにかく、業務が属人化しないように気をつけていました。今は目指していた組織ができつつあるので、私は他のスタッフが立ち上げている新規事業を手伝うなど、他の部署までカバーできるようになっています。

 

思いがけない形で自分の夢を実現。自分の理想を応援し、協力してくれる文化がここにはある

――今お話があったように、リボングループの特徴として自分の取り組みたい事業を考案し、実際に実現できるところがあると思います。関さんも、何か事業を立ち上げたいとお考えでしょうか。

それは特に考えていないんですよね。というのも、利用者様の様子を見ていて「こんな事業があったらいいな」と思うことがあまりないからです。リボングループの就労支援は、今でも他の事業所では受け入れが難しい方を受け入れられる仕組みや体制が整っています。そして全ての利用者様とまではいきませんが、大半の方は一般企業に就職することができています。

新しい事業を考えるよりも、今の利用者様が必要としてくださっている既存事業と向き合う方が大切だと思うのが率直な考えです。

 

――それはとても大切なことですね。そんな関さんが日々仕事をする上で大事にしている考え方について、もう少し詳しくお聞かせください。

基本的に頼まれた仕事は絶対に断らず、なおかつ嬉しそうに引き受けるように心がけています。できると思われているから頼まれるので、誰かから頼みごとをされるのは嬉しいものです。そんなお願いごとですから、100%どころか200%応えたいという気持ちで引き受けるようにしています。

あと、一緒に仕事をしている仲間の動きをしっかり見て動くことも大事だと思っています。誰かが大変そうにしている時に、自分が何をしたら負担を軽減できるかを考えて動く。個人が抱えている課題はチームの課題でもあります。そういった個々の課題に目を向け、チーム全体に良い影響が与えられるように立ち回ることも意識していますね。

 

――そのような考え方は昔から持っていたのか、それともリボングループに来てから身についたものでしょうか。

もともとそういった考え方は持っていたのかもしれないですが、リボングループにいる人たちの影響も大きいですね。人間的にもいい人が多く、仕事もしっかりする人が多いので、一層、周りのために頑張ろうという気持ちが強くなりました。

 

――そんなリボングループで仕事をしていく中、今後、関さんはどのようなキャリアを歩んでいきたいと考えていますか。

あまり考えていないというか、「自分はこうなりたい」と考えるよりも他のスタッフのことを考えてしまいますね。他のスタッフが、リボングループで働きながらどうなりたいと思っているのか、どんなスキルや経験を身につけたいと思っているのかを聞いて、サポートする方が私にとって大事なんです。

一生懸命働いているスタッフのキャリアの可能性を止めないためにも、さまざまな事業展開をしながら会社を育て、新しい役職やポジションを作っていかなければなりません。そもそも私はいつでも、今の管理者としての役割を辞してもいいと思っています。私が今の管理職でいることにこだわり続けると、その分、他の人のキャリアを止めてしまうからです。そういった存在にはなりたくないんですよね。管理職にこだわらず、社内で私が必要とされる仕事があるなら喜んでその仕事をさせてもらいます。

 

――とことん他人ファーストですね。

このような考え方でいられるのは、リボングループだからこそですね。仮に本当に私が管理職を降りたとしても、次の役割を与えてくれると信じられるので、安心して席を譲れると思っています。

 

――それも一つの信頼関係と言えそうですね。最後に今後、関さん個人としてやりたいことや夢があればお聞かせいただけないでしょうか。

冒頭、少しお話させていただいたカフェの運営ですね。実は会社の協力もあって、つい2ヶ月ほど前から自分のカフェを持つことができました。与えられている仕事をしっかりと進めながら、自分が好きでやってみたかったカフェも成功させることが私のやりたいことですね。

 

――それはおめでとうございます。会社の事業としてカフェをされているということでしょうか。

いえ、私の個人事業としてです。ありがたいことに、リボングループが運営している西船橋の施設を休日だけ使わせてもらっています。普段は利用者様が通われているのですが、古民家風できれいな建物なんですよ。

採用の面接時に代表の長島と上司の土居が面接官だったのですが、その時に「いつか自分のカフェを持ちたい」ことを話しました。私がカフェを運営したいということを二人は理解してくれていたので、西船橋の施設をリフォームする時に、「いずれ私がカフェをするだろう」と考えて施設の机なども、カフェで使えそうものを選んでくれたんですよね。

 

▼役員の土居さんインタビュー記事
作業療法士の新しい働き方。利用者の「本当に叶えたい夢」を実現できる環境がリボングループにはある

 

――とても素敵なお話ですね。

感謝しています。

リボングループは、個人がやりたいと思っている理想の形が実現できるように応援してくれる会社です。だからこそ、私は会社の事業としてではなく、私個人の事業としてカフェを持つことができました。

この会社には個々が持っている能力を活かすために協力したり、応援したりする文化があります。例えば、新しい仕事を割り振る時でも、役職や役割ではなく個人の能力を見て考えることを大切にしているんです。こうした考え方が根付いているのは、リボングループの良いところだと思います。

こんな風に個人が理想としている形を尊重し、形式にこだわらずに応援してくれる会社は中々ありません。自分のやりたいことや理想のキャリアを実現させるのに、とても良い場所だと感じています。

 

▼リボングループの採用情報はこちらから

https://www.sogoriha-recruit.com/entry/

 

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