榊原建設で自分のやりたいことを極め、夢をかたちにしてほしい。代表の想いを紐解く

レッド

written by ダシマス編集部

岡山県倉敷市に本社を構える株式会社榊原建設。1985年の創業以来、公共工事やインフラの整備など地元の生活を支える建設事業を展開しています。専門的な技術や知識の必要性、職人文化のイメージから人手不足が懸念されている建設業界。今回取材した同社の代表取締役会長である榊原修さんは、「今と昔とでは働く環境はずいぶん改善されている」と話します。

こうした業界へのイメージを打破するため、広く門戸を開いている榊原建設。その取り組みについて榊原さんにお話を聞くと、そこには「考える力を育てたい」という熱い夢がありました。

代表取締役会長 榊原 修(さかきばら おさむ)さん

代表取締役会長 榊原 修(さかきばら おさむ)さん

中学校卒業後、高校へ進学するも強い憧れを貫き職人の道へ。18歳の頃から現場を任されるようになり、その数年後に榊原建設を設立。

取材・執筆:大久保 崇

取材・執筆:大久保 崇

『ダシマス』ディレクター。2020年10月フリーランスのライターとして独立。2023年1月に法人化し合同会社たかしおを設立。“社会を変えうる事業を加速させ、世の中に貢献する”をミッションとし、採用広報やサービス導入事例など、企業の記事コンテンツの制作を支援する。猫ファーストな人生。歩くこと、食べることが好き。

地元・岡山を支える榊原建設の仕事

 

——創業の経緯を教えてください。

やりたいことを続けていたら、いつのまにか人が集まって今の状況になっていたというのが正直なところでしょうか。子どもの頃から職人の仕事というものに憧れていたんです。親や先生に勧められるままに高校に進学したのですが、職人になりたい気持ちが強く、高校を1年ほどで辞めて大工になりました。

18歳の頃には、一人の職人として仕事を任せてもらえるようになりました。縁があって土木の会社に勤務している時には、部下をもつ経験もさせてもらいましたね。そして1985年に独立・創業し、今に至ります。

 

——創業後はどのような建築や工事をおこなってきたのでしょうか。

学校施設や下水設備などの公共事業を中心に施工しています。小学校の屋根付きプールの新築工事や、公園の遊具の設置やフェンスの修理といった子どもの成長に関わる工事。道路の舗装や下水管の修繕など生活に欠かせないインフラの整備。災害で崩れてしまった法面や山の斜面の復旧工事といった安心安全を守る土地づくりにも関わっています。

公共事業なので入札で受注させていただくことが多いのですが、最近はデザインビルド方式での受注も着実に増えており、真備町の災害公営住宅の整備などに取り組みました。

 

——デザインビルド方式とはどういったものなのでしょうか。

設計と施工を1社で行うために、設計者と施工主を一元化する方式です。

公共事業の受注というと入札をイメージする人も多いかと思います。入札の場合、設計と施工を別々に発注することになります。どんな施設を作るかという設計をした後に、その設計図をもとに入札をおこなって施工主が決まります。

一方デザインビルド方式では、自治体が提示した概要や予算をもとに事業者が設計から施工までを計画します。自治体は価格だけではなく設計図や施工主の技術力などを総合的に判断して発注先を決めます。

設計者が描いたものを実際に形にするのは施工主です。設計と施工を分離してしまうと、いざ決まったあとに解決が難しい技術的な課題が見つかったり、予算を大幅に超えた赤字になったりする可能性があるんです。

デザインビルド方式だと設計と施工が連携しているため、こういった技術的な問題や予算についてのズレを小さくできますし、設計から施工までの時間も短縮できます。そして何より、入札時の金額だけではなく、私たちが持っている技術力をアピールできるんです。

しかし、これにもやはりノウハウが欠かせません。弊社は建設、つまり施工主の事業者なので、設計の事業者とJV(共同企業体)を組んでデザインビルド方式を受注しています。弊社の常務がこのデザインビルド方式を得意としているのですが、私は彼が岡山県で一番なんじゃないかと思っているんですよ。おかげでこの方式での受注は順調で、自治体から信頼をいただいています。

 

ものづくりの先頭に立つ面白さが建設業界にはある

——榊原さんが考える、建設の仕事の面白さについてお伺いしたいです。

ものづくりの先頭に立てることですね。だからこそ、出来上がったときの達成感はひとしおです。

建物を作ったり修繕したりするこの業界の仕事は、人の力が必要です。そしてそれは、今後も変わらないはずです。とてもやりがいのある仕事ですよ。

 

——たしかに、機械化が進んでも人の力が必要な分野ですよね。しかし、安定性や将来性がある一方で、人手不足に悩んでいるという話も耳にします。現場にいる榊原さん自身はどのように感じていますか。

土木や建設の世界には、辛そうとか暑そう、上下関係が厳しそうといったイメージがあるかもしれません。ですが、そのあたりはかなり改善されて、一般企業と変わらない環境になってきています。

機械化も進んで、安全面や労働時間も改善されています。弊社では工事状況や現場の確認にドローンを使ったり、最初から3次元で図面を描けるBIM(Building Information Modeling:ビルディング・インフォメーション・モデリング)という技術を取り入れて設計にかかる時間や工数を削減したりしています。年に1度、従業員に必要なものやアイデアをヒアリングし、予算と相談しながら新しい設備や道具を購入して、よりよい労働環境づくりに取り組んでいます。

 

——新しい技術を取り入れながら建設現場は日々変化しているのですね。

 

自分を大事に、正直に。一生懸命になれる場所

 

——ここまで頑張ってこられた理由や、人を引っ張っていく立場をつとめるために、心かげていることはありますか。

本当に好きなこと、やりたいことをやる。欲しいものに向かっていく。その繰り返しが積み重なって、今の形になっている気がします。

 

——企業理念にも「夢をかたちに」とあります。これにはどんな思いが込められているのでしょうか。

お客さまの依頼、つまり「夢」を形にするという意味です。

 

——「形智を未来へ」という理念にある「形智」とはどう読むのでしょうか。

「形智」と書いて「かたち」と読みます。「智」という字には、「知恵。物事を考える力」という意味があります。私たちが作り上げる「形」は、みんなの智恵や工夫を集めたものにしたいなと。自分の知恵や知識、力を「形」に変えていく過程とその結果が「形智」になればと思っています。

 

——素敵です。考える力を大切にされているのですね。

今の教育は知識をたくさん覚えることを良しとする傾向にあると思うんです。その結果、学歴の高さが評価される一方で、途中で学校をやめたり、進学のレールから外れたりすると落ちこぼれのようなレッテルを貼られてしまいます。こうした覚える教育が、人の「やりたい」気持ちに蓋をしてしまっているのではないかと疑問を抱いています。

私は、野球選手やサッカー選手に憧れるのと同じように職人に憧れてここまで来ました。しかし将来的な収入面や今現在の自分の偏差値と目標とのギャップなど、現実問題に目を向けると夢や希望を言い出せない人もいるんじゃないかと。特に私たちのような職人の世界は、今の世の中では人が集まりにくいという課題もあります。

大事なのは学歴や知識の多さではなく、「考える力」。だから私は建築や土木の知識や技術がない人も大歓迎です。少しでもこの業界や仕事に興味を持ってもらえたら、門をたたいて欲しいですね。やりたい、という気持ちさえあればぜひ。

弊社では「見て習え」ではなく、マニュアルを見たらある程度できるようにしようと考えています。建築に関する業務は、入札の仕方や工事の段取り、職人や現場で働く人の管理など、決まった流れの事務作業も多いんです。このあたりについてはマニュアル化し、業界未経験者や建築・技術関係の勉強をしていない人でも挑戦できる仕組みづくりをしていく予定です。資格取得支援もしていて、もちろんその間の給与もきちんとお支払いします。

とは言え、土木工事や現場での仕事には経験や実際に手を動かさなければわからないものがあります。弊社にはベテランが多くいますので、そこについてはできることから一緒に取り組んで学んでいただければと思います。

働きながら、学んでいける。うちの会社をそんな場所にしたいですね。

 

——ありがとうございます。最後にお伺いしますが、どんな人に榊原建設に来て欲しいとお考えですか。

自分のことを第一に考え、大切にできる人ですね。

 

自分のことや周りのことを考えて一生懸命になっていれば、自然と全てがついてくる。周囲の人もついてくるし、きっとそれが会社のため、社会のためにつながりますから。

 

榊原建設について

・ホームページ:https://www.sakakibarakensetsu.co.jp/

・採用情報:https://www.sakakibarakensetsu.co.jp/recruit

 

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