【対談】グローバルパートナーズ山本康二×Shining大橋星南 ~起業思考の若者を増やすには~

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written by 紺野天地

グローバルパートナーズ株式会社(以下、GP)は、「若者と企業と世界をつなぐ」をビジョンとして掲げています。代表取締役である山本康二社長はそれを体言するように、これまで700人近い経営者を世に輩出してきました。

今回、山本社長が対談を希望したのは、「若者が挑戦するきっかけを作る」を理念に据える株式会社Shiningの代表・大橋星南(おおはし・せな)さん。現在24歳の大橋さんは、バックパッカーとして日本一周や海外一人旅、さらにはホームレスをしながらのアメリカ横断といった多様な経験の持ち主でもあります。

「起業思考の若者を増やすには」という視点で、2人にお話を伺いました。

山本 康二 (やまもと こうじ)

山本 康二 (やまもと こうじ)

1971年生まれ。1995年株式会社光通信に入社。28歳で取締役に就任し、インターネット事業部長、法人事業本部長を歴任する。常務取締役に就任した翌年の2009年、日本にアリババを誘致し、アリババマーケティング株式会社を創業。
2013年、社名をグローバルパートナーズに変更し、ドバイ駐在セールスチームによる市場調査・営業代行サービスを開始する。以降、YouTube事業やグローバル人材事業、海外進出支援事業をはじめ、国内外でビジネスを展開している。

大橋 星南(おおはし せな)

大橋 星南(おおはし せな)

1999年生まれ。株式会社Shining代表取締役。7歳からゴルフを始め、17歳までプロゴルファーを目指す。大学1年時に日本一周したことを皮切りに、海外一人旅やアメリカ横断などを経験。その後、「大学3年でインターンを始めて、やりたいことが分からないまま就職する」という就職活動の流れを変えるために、大学1年生と経営者の交流会を開催するようになる。
現在は、学生と経営者の出会いを創出する事業を軸に、「若者が挑戦するきっかけを作る」という理念の実現に取り組んでいる。

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大手企業への就職を望んでいた過去

▲アメリカ横断に挑んでいたときの大橋さん

 

――まずは、大橋さんのプロフィールについて教えてください。

大橋:株式会社Shiningの代表を務めています。Shiningは、学生が挑戦するきっかけを作る会社で、主な事業は学生と経営者をつなぐイベントの開催です。

 

――元々、起業思考がおありだったのですか?

大橋:実は20歳までは、大手企業に入って安定した生活を送ることが目標だったんです。就活でアピールするために、大学1年生のとき、自動車免許を取った2週間後に日本一周をしたり、その直後に海外でバックバッカーに挑戦したりしました。個人的には、日本一周を始めた頃から、自分の中の常識が壊れ始めたように感じています。

 

――どういった経緯で「起業したい」と思うようになったのでしょう。

大橋:旅を続けてさまざまな文化や価値観に触れる中で、「自分の知りたい世界をもっと知りたい」と思うようになって、友人5人で情報共有のためのLINEグループを作りました。その直後にコロナ禍に入ったことも重なり、LINEグループが数か月で120人にまで増えて、人材育成団体Shining(当時)を設立したんです。

そのとき僕は、「120人も集められる自分はすごい」と勘違いをしてしまい、「将来起業する」と口にしていたら後戻りができなくなっていました(笑)

 

――現在は主に、学生と経営者をつなぐ事業を展開していますね。

大橋:はい。今から約1年前に3か月かけてアメリカ大陸を横断したのですが、クレジットカードをなくしてしまい、現地でホームレスになったんです。ヒッチハイクや路上パフォーマンスをしながらなんとか目標を達成して、帰国後、その経験を講演しました。

その中で、「集まってくれる人がこんなにいるなら、僕の話をするよりも経営者に話をしていただいたほうが学生のためになる」と思い、経営者の皆さんをお呼びしてイベントを開くようになりました。

 

――大橋さんと山本社長。お二人の出会いは?

大橋:僕が司会を務めたイベントに、山本社長が講師として登壇されたんです。

山本:大橋君は背が高いし、青いスーツを着てビシッと決めていたから、ひときわ目立っていました。会場で少し話したらビンビン来るものがあって、その後、すぐにGPのオフィスに来てくれたんです。

 

――それぞれの印象についてお聞かせください。

山本:良い意味で変だと思います(笑)ある日、「僕がイベントを開くので来てください」って誘われたから行ったら、会場には150人も参加者がいて。「大橋君は個人の能力だけじゃなくて、周りを引き付ける力がすごいんだ」と思ったし、実際に、有名な会社の社長と次々に仲良くなったりもしています。

大橋:初見からオーラを感じましたが、最初はあくまでさまざまな社長さんの一人でした。ですが、オフィスに呼んでいただいてお話する中で、考え方やこれまでやってきたことなどをお聞きして、「この人、半端ない」と思いましたね。

 

――山本社長への印象を決定づけるきっかけはありました?

大橋:山本社長がインターン生から相談を受けたときですね。その相談内容は、正直、「こんなすごい経営者に失礼じゃないか?」と思うようなことだったんですけど、山本社長はそれを丁寧に受けとめて、時間をかけて応じていたんです。「若者のため」って言葉にするだけなら簡単だし、実際は違っていることも多いけど、「この人は絶対本物だ」と感じました。

 

「起業したい」と思うようになるのは“なぜ”

 

――ここからはお二人に対談していただきます。まずは、現代の若者の起業思考について見解をお聞かせください。

山本:先日、24年卒の学生を対象にしたとある調査で、企業選択において重視している条件の1位が「安定している会社」で全項目の中でトップ、過去最高値でした。同様の傾向を示す調査は他にもあって、僕はこの状況に危機感を抱いているんです。
IT化やグローバル化が進んで変化が目まぐるしい現代。そもそも、自分の進む道が凸凹しているのに「安定」なんてあるんだろうか。

大橋:僕の経験からもそれを感じます。少子高齢化や年金問題のように、不安を煽るニュースが日常的に流れている中で、「少しでも安全な道を選ばなきゃ」と思っている学生は多いかもしれません。

 

――日本の若手経営者の少なさや労働生産性の低さは、これまでもたびたび話題になっていますね。

山本:若者の労働生産性が低い理由について、大橋君はどう考える?

大橋:今の時代に限ったことではないかもしれませんが、「言われたことをする」というのが常態化してしまっている気がします。そうすると、意識が楽なほうにいって、自分で挑戦しようという考えが生まれにくいのではないかと。

山本:そういった状況の中で、大橋君をはじめ自分たちで行動できる若者もいるのはどうしてかな?

大橋:「環境」が大きいんじゃないでしょうか。周りの若手起業家を見ていると、その人を引き上げてくれる経営者が傍にいることが多いんです。ロールモデルとなる師匠っていうんでしょうか。師匠の傍にいる中で、その考え方が染み込んでいくんだと思います。

山本:なるほど。じゃあ少し掘り下げて、そもそも若者が「起業したい」って思うようになるのは何でかな。例えば社会的には、偏差値の高い大学に通っている学生って、人気のある企業に就職しやすいよね。

大橋:それは、多分、二つのパターンがあって。一つはメディアに流れるネガティブなニュースを聞いているうちに、「このままじゃやばい」という焦りが生まれて、「自分でなんとかしよう」と起業思考になるパターン。
もう一つは、SNSが普及しているので、若手起業家のキラキラしている部分を見て「自分も起業したい」と思うパターンです。後者のケースのほうが多いように感じますね。

山本:時代の流れを考えると、それは必然的かもしれないね。昔は王貞治や長嶋茂雄に憧れて野球を始める子どもばかりで、その後のバンドブームでは、音楽を始める人が続出して。
今の時代は「SNS」が若者の生活の中心にあるから、YouTubeやTikTokでかっこいい経営者を見て、「自分もこうなりたい」って思う人が増えているのかもしれない。そう考えると、経営者がメディアに出てありのままの姿を見せるのは、良い影響がありそうだね。

 

身を置く環境で未来が変わる

▲Shiningが開催したイベントの様子(中央左で白い袴を着ているのが大橋さん)

 

――「起業に対する世間的な価値観」は今と昔で違うのでしょうか?

山本:僕たちの時代は、「若者が起業する」という行為自体が「それってどうなの?」って否定的な目で見られることが多かった。銀行や不動産はまともに話を聞いてくれないし、求人を出すにも「本当に大丈夫ですか?」と心配されたり。
今の時代は若手起業家が増えてきていて、世間的な価値観は僕たちの時代とは変わったと思うよ。

大橋:一方で、社会に対して関心のある若者、危機感や不満を持つ若者は少ないようにも感じます。
周りを見ていると、「このままじゃ社会がヤバい」というようなマイナスな思いが出発点になって起業する人が多いんですよ。そういう意味では、いかに社会との接点を増やすかが、今も昔も重要な気がします。

 

――自分で事業を起こせる若者を増やすために、何が大切だとお考えですか。

大橋:僕が一番感じているのは、「働く=時給・月給」といった考えを頭の中からなくして、「自分で考えて行動して1円を得る」という経験をすることです。「起業したい」という意思や興味を持つ若者のほとんどは、事業の作り方が分からなくて途中で諦めてしまうんです。「自分の力で収入を得た」という経験をするだけで自信になるし、「次はこれを自分でやってみよう」と自走できるようになると思います。

山本:まずは自分で動いてみて、自分で請求書を出して。そういった前段階となる経験が必要なわけだ。僕の場合は「自分で事業をつくる」「フルコミッションで働く」という環境に最初から身を置いていて、そもそも起業に特別な感覚がなかったから、それは新しい視点だったよ。

大橋:僕自身、最初は飲食店でバイトしていたのですが、メニューが全然覚えられないし、流れてくる伝票にテンパって全然さばけないし。仕事ができなくて2回もクビになりました。

山本:でも、今の大橋君を見ていると吸収が早いし、気配りもできるよね。
今までの話からも分かるけど、どんな人でも、置かれた環境や出会う人によって変わることができる。高校や大学で勉強することは大事だけれど、自分なりに行動して社会と関わって、その中で経験を積むことが将来を変えるんだろうね。

 

好きなことを仕事にできるきっかけを作る

 

――これからお二人で進めたい事業はありますか?

大橋:ちょうど今、学生がテレアポを学ぶためのコールセンターを、GPの中に新設させていただこうと動いている最中なんです。

山本:この間、大橋君の紹介で「GPで営業を学びたい」という学生が来てくれたんですよ。それなら1人だけじゃなくて、10人、20人に学びを提供できる場所を作ろうと動いています。

 

――最後に、大橋さんの展望についてお話しください。

大橋:若者の労働生産性を上げるためには、自分の好きなことを仕事にできるのが大切だと思っています。僕たちが開催するイベントを通じて、若者が自分が好きな仕事を見つけて、それがいつか、社会を変えるほどの大きなものになったら嬉しいです。社会に変革を起こせる起点をどんどん増やせたらいいですね。

山本:大橋君みたいな若者が増えたら、世の中が変わっていくかもしれないね。今は日本経済が停滞していて少子高齢化が進行しているから、もちろん簡単ではない。けれど、持ち前の明るさがあれば力強く歩んでいけると思うよ。

大橋:ありがとうございます。

山本:ちなみに、大橋君自身も若者なのに周りの若者を応援したい。ここにはどういう思いがあるんだろう?

大橋:みんなで社会を盛り上げたいんです。あと、「若者が挑戦するきっかけを作る」って言っておきながら、僕がそれに相応しい人間じゃないと示しがつかないじゃないですか。僕を見た人たちが中途半端にならないために、僕自身が大きなビジョンを掲げています。

 

【取材後記】

感覚的に物事をキャッチして、どんな状況でも即興的に解決策を見出して進んできた大橋さん。既存のレールに乗らず、道しるべにも頼らず、だからこそオリジナルな体験が次の行動の基盤になっていて、未知の魅力を感じます。

そんな大橋さんとは背景も経験値も違うけれど、立場や年齢に関係なく、対等の立ち位置に居続けることができる山本社長。お二人の対談は、これから社会で「挑戦しようとする人たち」を応援する、新たなモデルケースを感じさせてくれました。

 

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