8歳で運命の出会い。バイクに心を奪われ続けた男がつくる最高の会社と世界一の仕事

レッド

written by 斉藤彩

広島市の中心部から約15km離れた上深川町には、全国のバイク乗りがこぞって訪れるハーレー専門店「45Degree(45ディグリー)広島」がありました。

25年にも渡り愛され続けているこのお店の一番の売りは、数多のバイク乗りを魅了する整備技術力の高さ。

今日はそんな45ディグリー広島の代表保浦さんに、驚きの設立秘話から未来の仲間へのメッセージまで、お店の全てを取材させていただきました!

保浦 正幸(やすうら まさゆき)さん

保浦 正幸(やすうら まさゆき)さん

広島安芸郡出身、8歳でハーレーに出会い今年で30年。
広島県上深川町にあるハーレーダビッドソン専門店「45Degree(45ディグリー)広島」の代表取締役社長 兼 整備責任者。

<保浦さんってこんな人>
#機械をいじるのが大好きなメカニックマン
#社員曰く、その風貌は社長というより生粋のエンジニア
#全国各地のバイク乗りから愛車を託される、バイク界のスーパードクター

 

「父ちゃん、俺世界一のバイク屋になる!」息子の夢を知った父が取った驚きの行動とは

ーー会社のお話の前に、保浦さんとバイクの出会いを伺いたいです!

小さい頃は山で秘密基地を作ったり、自転車が好きすぎて何時間も漕ぎ続けたり、怒られるまでファミコンをやったり、とにかくやんちゃな子供でした。そんな風にのびのび育っていた8歳の僕に、人生を変える出会いが訪れました。父が突然ハーレーを買って帰ってきたんです。

 

バイクの中にキャブレターっていう部品があるんですけど、それをいじっている父の姿が当時の僕にはすごくカッコよく見えて。それからは「僕もキャブレターをいじるんだ!」と心に決めて、小学校の卒業文集『将来の夢コーナー』に「ハーレーのバイク屋を持つ」と書きました

▲保浦少年の心を鷲掴みにした噂のキャブレター

 

ーーバイク屋になるという夢を叶えて社長になった経緯はどんなものだったんですか?

13歳のとき、父が脱サラしました。なぜかは分からないけど「ラーメン屋になる」と言っていた記憶が強かったので、てっきり父はラーメン屋になるんだと思っていました。

 

一方の私は卒業文集にも残してる通り、ずっとハーレー屋がしたいと言い続けていました。それを知っていた母が「息子もやりたがってることだし、どうせやるならあなたも一番やりたい仕事をしたら?」と父に進言。その結果「やっぱりハーレー屋だ!」と方向転換をしたそうなんです。

このこと、つい最近まで知らなかったんですよね。笑

 

営業職のサラリーマンから転職して、好きなことを仕事にしている父は最高にカッコよく見えました。大人になった僕は父に追い付こうと整備の技術を磨くためにアメリカに飛んだりもして。

 

「いつかこの会社を継ぐときのために頑張らなきゃ」なんて考えながら整備の2級試験を受けて、遊びに行こうとしていた2008年の10月5日、突然父が倒れました。

命は取り留めたものの、半身不随で仕事ができる状況ではなかったので、その翌日から「やるしかない」という状況で僕が社長に。当時25歳、予想だにしない出来事でした。

 

「この仕事は絶やしちゃいけない」バイク整備士の存在意義

ーーバイクの整備士、という仕事に対する保浦さんの考えを教えてください。

バイクの整備士は年々減ってきています。でもバイクや乗り物は時代が変わっても世の中からなくならないと思うんです。

だからバイクのお医者さんである整備士は絶やしちゃいけない、そう思っています。

 

ーー大好きなバイクがいじれること以外に、この仕事のどんなところが好きですか?

バイクを修理したあとに「ありがとう」と言ってもらえる瞬間もかなり嬉しいんですが、もう1つ好きなのが、自分の直したバイクの音が街から聞こえる瞬間。

バイクの走る音を聞きながら「あ、この音は1年前に俺が直したバイクだ。まだ元気そうでよかったな」なんて思うのが密かな楽しみなんですよ。

 

ーーもしこの仕事じゃなかったら今頃何をしてたと思いますか?

この仕事以外考えられないな…。とりあえず寝てるんじゃないかな?(笑)

 

経験者は0人!?知識やスキルよりも仲間に求める条件

ーー今いる社員さんは整備未経験と伺ったんですが、未経験者を採用することにこだわりがあるんですか?

そもそもほぼ未経験しかいない職種なんだけど、僕が仲間を集めるときに一つ決めていることが、車の整備経験者だけは絶対に雇わないということ。

 

車もバイクもどちらも繊細な整備力が必要なんですが、車は車、バイクはバイクで仕組みが全く違うから、求められる技術も全然違うんですよね。

だから車の整備が出来るからと言ってバイクの整備ができるわけではないんです。

 

ーーでは保浦さんが育てたいのはどんな人ですか?

「面白い仕事をして熱くなりたい」とか「一度きりの人生だから仕事も楽しみたい」とか、そういう気持ちを持っている人ですね。

だから経験は全く重視していません。今働いているスタッフも元郵便局員とかパチンコ屋の店員だったり。

このメンバーに共通してるのは「面白いことを一緒にしたい!」っていう想いだけです(笑)

 

ーー「面白い仕事がしたい!」と思うようになったきっかけってあるんですか?

今38歳なんですけど、32歳のときに腎臓癌で死にかけたんです。そこから「時間は有限なんだ」と考えるようになりました。

お金で買えるものはたくさんあるけど、経験は買えません。だからそれを仕事を通して生み出したいし、うちの社員にもお金では買えない経験を積んでほしいなと思っています。

 

ーー最後に、未来の仲間へメッセージをお願いします!

僕たちと一緒に面白いことをしよう!!以上!!(笑)

 

ーー保浦さん、貴重なお話をありがとうございました!

 

取材を終えて

「好きなことで会社が25年も続いているのが自慢」と笑顔で語る保浦さん。バイクに真っすぐな愛情を注ぐ彼の周りには、同じく純粋に仕事を楽しむ仲間が集まっていました。

 

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