「ノルマ」よりも「信頼」を──“物を売らない”浅野産業の営業が築く、お客様との温かいつながり

シルバー

2025.06.19

written by ダシマス編集部

浅野産業株式会社

1868年の創業以来、LPガス事業を基盤に地域の暮らしを支え続けている浅野産業株式会社。150年以上の歴史で築き上げたお客様との強い信頼関係を大切にしながら、若手社員がのびのびと活躍できる風通しの良い社風が根付いています。

今回お話を伺ったのは、入社5年目の岡山支店・小銀和宏（こぎん かずひろ）さん。「浅野産業の営業は、物を売るというよりお客様と仲良くなることがメイン」——。そんな同社のスタイルをまさに体現するような存在です。

お客様との何気ない雑談が大きな信頼に繋がったエピソードや、ノルマに縛られない働き方の実態、そして「社員同士が友達みたい」と語る職場の雰囲気まで。「無理して遊べ」というユニークなモットーを胸に、仕事もプライベートも全力で楽しむ小銀さんの姿から、浅野産業で働くリアルな魅力に迫ります。

岡山支店 第二営業部　小銀 和宏（こぎん かずひろ）さん

島根県出身。岡山理科大学卒業後、浅野産業株式会社へ入社し5年目を迎える（2025年6月時点）。LPガスの営業として、地域のお客様の安全で快適な暮らしを支える提案を行う。入社後1年半は玉野の事業所を経験し、現在は岡山支店に所属。趣味は音楽、キャンプ、旅行で、人との出会いを大切にしている。

お客様が知っている「浅野」だから、仕事がしやすい。信頼のバトンを受け継ぐ

──本日はよろしくお願いします。まずは浅野産業がどのような会社か、事業内容について教えてください。

メインはLPガス事業で、個人向けの小売りから法人向けの卸売まで幅広く事業を展開しています。その他にも、リフォーム事業、設備工事事業、食品事業など、暮らしに関わることを幅広く手がけている会社です。最近では、既存の事業拡充に加えて「癒し」や「健康」につながるお手伝いができればと、AIの活用やeスポーツの推進など新規事業の準備を進めています。

──暮らしのインフラを支える、地域にとってなくてはならない存在ですね。同業他社と比べた時の「浅野産業ならではの強み」は、どんなところに感じますか。

一番は、会社がこれまで150年以上かけて築き上げてきた「信頼」と「知名度」ですね。特に僕らが担当している岡山エリアでは、お客様自身が浅野産業のことを知ってくださっているケースが非常に多いんです。

だから、初めてお伺いするお客様のご自宅でも、「浅野産業です」って名乗れば、まず話を聞いてもらえる。これは本当に仕事がしやすいですし、すごい強みだと感じます。

──会社の看板が、すでにお客様との信頼関係を築いてくれているのですね。

そうなんです。お客様から「浅野さん、いい人ばっかりで」なんて言ってもらえることもあって。それは僕個人というより、これまで担当してきた会社の先輩たちが、お客様と真摯に向き合って、良い関係を築いてきてくれたおかげなんです。

そのバトンを受け継いでいると思うと、自分もその信頼を裏切れないな、歴代の担当者に負けないように頑張らないとなって。そういう良いプレッシャーを感じながら、日々仕事に取り組んでいます。

「物を売る」より「人と仲良くなる」。お客様との雑談から信頼が生まれる、小銀さんの営業スタイル

──営業職である小銀さんの、具体的なお仕事内容と1日の流れを教えていただけますか。

午前中は、朝礼で他の社員とスケジュールを共有した後、その日訪問するお客様の情報を確認したり、事務作業をしたりしています。午後からは、社用車でお客様のご自宅を訪問するのがメインですね。

訪問の目的は、アパートの入居や退去に伴うガスの開閉栓の立ち会い、4年に1度のガスの定期点検、あとはガス機器の調子が悪いといったお問い合わせへの対応など、さまざまです。夕方に会社へ戻ってきて、日報を書いたり翌日の準備をしたりして、基本的には17時半には仕事を終えて帰っています。

──その日のスケジュールや動き方はご自身で管理されているのですか。

はい、基本的に個人の裁量に任されています。会社から「これを絶対に売ってこい」みたいな厳しい必達目標があるわけではないので、「今日はこのエリアを回ろう」とか「このお客様のところへ顔を出そう」とか、自分で計画を立てて動けるのがすごく働きやすいですね。

──営業活動をする上で、小銀さんが心がけていることは何でしょうか。

物を売るということが大事ではあるんですけど、人として仲良くなるというか、コミュニケーションをとって信頼してもらうというところが営業として大事なのかなと思っています。以前、ガスの点検でお伺いしたお客様のご自宅で、世間話がすごく盛り上がったことがあって。気づいたら2時間ぐらい話し込んでいたんです（笑）。

──2時間！もはやご近所付き合いのようですね（笑）。

本当に（笑）。「これ仕事なのかな？」って思うぐらい楽しかったです。でも、そういう何気ないコミュニケーションの中から、「実はガスコンロの調子が悪くて」とか「こんなことで困ってるんだけど」という、お客様の本当のニーズが見えてくるんです。

そのお客様も、後日「あの時の小銀さんが親切だったから」って、別のご相談をくださって。ただ物を売るだけじゃない、人とのつながりから仕事が生まれていくのが、この仕事の面白いところだと思います。

失敗から学んだ、本当の信頼。お客様からの「ありがとう」が自信になる瞬間

──お仕事の中で、一番やりがいを感じるのはどんな時ですか。

やっぱり、お客様から直接「ありがとう」って言ってもらえた時ですね。当たり前かもしれないですけど、それが一番嬉しいし、この仕事をしていて良かったなと心から思います。

特に印象に残っているのが、ある冬の日に、お客様から「給湯器のお湯が出ない」とご連絡をいただいた時のことです。僕の最初の対応が十分ではなく、お客様からお叱りを受けてしまいました。

──それは大変でしたね……。どのように対応されたのですか。

とにかく、これ以上ご迷惑をおかけしないように、誠心誠意対応することを心がけました。すぐにもう一度お伺いして、お客様が不満に感じていた点を解消し、元通りに近い状態まで復旧させたんです。

最終的には、その真摯な対応を評価していただけたのか、お客様にすごく喜んでいただけて。それどころか、「お風呂のリフォームも考えてるんだけど、小銀さんにお願いできる？」って、新しいお仕事まで任せていただけたんです。

──失敗から、より大きな信頼が生まれたのですね。

諦めずに自分にできることを必死で考えたのが、お客様の信頼を取り戻すことにつながったんだと思います。自分の知識や経験が、誰かの役に立てたことを実感できた、すごく大きな成功体験になりましたね。

──そうした経験の積み重ねが、ご自身の成長にもつながっていると。

そうですね。入社したての頃はできなかった対応が、今はできるようになったと感じます。

最近では後輩を指導する立場にもなったのですが、自分が経験してきたことを伝えながら、後輩が一人で動けるようになっていく姿を見るのは、大変さもありますが、大きなやりがいを感じる瞬間の一つです。

無理してでも遊べ──の教えを胸に。自分らしく働ける場所で、頼られる先輩を目指して

──小銀さんご自身の、仕事や人生において大切にされている価値観があれば教えてください。

大切にしている言葉が二つあります。一つは、大学生の時に通っていた美容院の美容師さんに言われた「無理してでも遊べ」という言葉。疲れていても無理して遊びに行くくらい、機会を逃さずに様々な経験を積むことが人間的な深みになり、お客様との対話にも活きるということを、社会人になって実感しています。

もう一つは「迷惑をかけるなら自分にかけろ」という考えです。高校時代に親に心配をかけた反省から、自分の行動には責任を持つという意識が芽生えました。

──そうした価値観は、会社・職場選びにも影響したと思います。浅野産業を選んだ決め手は何だったのでしょうか。

僕がこの会社を選んだ一番の理由は社員の「仲の良さ」です。表面的な条件よりも、会社の「人」や「雰囲気」を重視していました。

説明会で見た、部署に関係なく和気あいあいとした雰囲気に惹かれ、「ここなら自分らしくいられる」と直感しました。入社5年目（2025年6月時点）ですが、その印象は変わりません。人を支えるインフラの仕事がしたいという学生時代の想いも、この温かい環境で実現できていると感じます。

──最後に、今後の目標と、この記事を読んでいる未来の仲間に向けてメッセージをお願いします。

今後の目標は、僕が今でも頼りにしている、何でも知っている先輩のようになることです。お客様からのどんな質問にも的確に答えられて、トラブルがあっても冷静に対応できる。僕もそんな、後輩からもお客様からも「小銀に聞けば大丈夫」って言ってもらえるような、頼れる存在になりたいです。

これからご自身のキャリアを考える皆さんは、いろんな会社を見る中で、きっと迷うことも多いと思います。だからこそ、「自分の中でこれだけは譲れない」という軸を一つ、見つけてみてほしい。その譲れないものが、きっと働く上でのモチベーションになるはずです。

もし、それが「人と話すのが好き」とか「温かい人間関係の中で働きたい」ということであれば、浅野産業はすごく良い環境だと思います。

皆さんと一緒に働ける日が来るのを楽しみにしています。

（取材・執筆：大久保 崇）

浅野産業株式会社について

ホームページ：https://www.asano-sangyou.co.jp/

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