「自分のミッションは会社のファンを増やすこと」ばいこう堂小売部マネージャーが語る和三盆の果てしない可能性

シルバー

written by 斉藤彩

皆さんは和三盆というお菓子をご存知でしょうか?口に入れるとほろっと溶ける、色とりどりの砂糖菓子。香川県や徳島県では郷土菓子として長年愛されています。

そんな和三盆の製造、販売をしている老舗企業、ばいこう堂株式会社様(以下敬称略)には、和三盆の魅力に魅せられた一人の男の姿が。

ばいこう堂2回目のインタビューは、小売部マネージャー、有水 誠(ありみず まこと)さんに聞く、和三盆の無限の可能性、そしてばいこう堂の未来についてのお話です!


1回目の代表インタビューはこちら!
香川の宝を全国に。日本屈指の和三盆メーカーばいこう堂(株)代表インタビュー

インタビュイー:有水 誠(ありみず まこと)さん

インタビュイー:有水 誠(ありみず まこと)さん

ばいこう堂株式会社の小売部マネージャー。大阪府東大阪市出身。
大学卒業後、6年間アパレルショップで自社でブランドを立ち上げ、小売店舗に販売する営業として勤務。
2社目でばいこう堂に入社し、現在社歴17年。

インタビュアー:清水 遼太

インタビュアー:清水 遼太

「働くかっこいい大人を増やす」をビジョンに掲げるインビジョンの営業担当。

 

量産できない”付加価値”を求めて

 

ーー早速ですが、前職を辞めて転職をしようと思ったきっかけを教えていただけますか?

前職はアパレルで営業をしていたんですが、あの業界って20代で活躍してても40歳前後で辞めてしまう人が多いような場所なんですよね。2社目は長く勤められる会社に、と思い転職活動を始めました

 

ーーばいこう堂さんに決めた理由は何だったんですか?

ちょっと特殊な入社経緯なんですが、実は営業じゃなくて企画職に応募したんですよ。前職でPhotoshopやillustratorなんかを使ってポップを作ったりもしてたんで、和菓子業界なら活躍できるんじゃないかって安易に考えてましたね(笑)

経験不足で企画では不採用だったんですが、当時の代表、今の会長から「君は完全に営業向きだから、うちで営業やってみないか?」ってお声がけをいただいて。

会長は、話しているとなんだか心を見透かされてる感じがしてドキッとするような方だったんですが、自分の表面以外のところまで見てくれはる方がいるのが嬉しくて、この人の下で働きたいと思ったのが決め手でした。

前職のアパレルに入社した理由の一つでもあるんですが、「大量生産ではなく付加価値あるものを販売したい」という想いが自分の軸にあったのも大きかったですね。

 

ーー有水さんの考えるばいこう堂さんの付加価値はどんなところにありますか?

砂糖は砂糖でも希少価値のある和三盆という商品を扱っていること、そしてその製造の段階から自社で行なっていること。それだけでも魅力的なのに、原料を卸すだけじゃなく見ても食べても楽しいお干菓子(ひがし)まで販売していること。

なんといっても、和三盆という商品自体の魅力が大きいんですよ!
一般的なイメージとしては、伝統菓子だったり京菓子といった日本の風習の中で存在が引き立つ商品だと思うんですが、地元の香川に行くと郷土菓子に変わったり、お抹茶を出す世界では季節を感じさせるお干菓子になるんです。1つの和三盆をとっても、季節や目にした人によって違う印象になる。本当におもしろい商品です。

店舗だけじゃなくてオンラインショップでも販売できるようになったので、最近ではふるさと納税の市場にも広がったりしていてね。価値のあるものをしっかりと利益の出る形で販売しているところにも、入社後更に魅力を感じてますね。
 

 

赤字覚悟の型打ち体験。和三盆から広がる笑顔の輪

 

ーー販売の仕事といっても幅が広いとのことですが、もう少し具体的に小売部のお仕事を教えていただけますか?

基本的には本店を中心として、お菓子としての和三盆を販売する部門です。オンラインショップの運営や、弊社の商品を取り扱ってくださっている直営店の販売サポート、全国の百貨店なんかにある銘菓コーナーや催事の管理も小売部で担当してますね。

すごく単純に表現するなら「ばいこう堂」のファンを作ること。それが私のミッションであり、小売部の目標です。

 

ーー日々の接客に加えて、ファンを増やすために何か取り組まれていることはありますか?

最近ね、型打ち体験を始めたんですよ!

 

ーー型打ち体験!どんなイベントなんですか?

”型打ち”という製造工程の職人を連れて行って、一般のお客様に職人の作業を体験してもらうんです。うちは香川県が本拠地の会社なんで、香川県への恩義をお返ししたいなと思いまして。

香川県で楽しい思い出を作っていただく、そしてより多くの方に和三盆を知っていただく。そんな目的で、最初は地元の栗林公園から始めさせてもらいました。今年初めて熊本の百貨店や大阪の直営店でも実施させていただいたんですよ!

 

ーー最初に「型打ち体験がやりたい」と声をあげたのは小売部の皆さんだったんですか?

そうですね。ファンになっていただく方法って、食べていただくだけじゃないよなぁと思いまして。

地元では年に1回給食で霰糖(あられとう)が出るんですけどね、「これ給食で食べたやつだわ〜」なんて言いながら楽しそうに参加してくれる子供たちがいたりして、こういうのもいいなぁと思いますよね。

お干菓子を打つ仕事って、実は過酷な重労働なんです。一年中工場内にいたら、消費者さんの顔が見れないじゃないですか。
だから職人さんをこういう機会に連れ出して、消費者さんと触れ合ってもらって、「やっぱりこの仕事って笑顔をつくる素晴らしい仕事なんだ」って思ってもらいたいという考えもあって始めたことなんです。

赤字は赤字なんですけど、社長からも「こういう形でアピールするのもいいね」と許可をいただいているので今後も各地で開催する予定です!

 

ーー職人さんにやりがいを感じてもらえる機会をつくろうという社風が素敵ですね!有水さんご自身はどんなときにやりがいを感じますか?

私もやっぱりお客さんからの喜びの声を頂いたときですね。

催事に出店すると、よく落雁(らくがん)というお菓子と間違えられるんですよね。だけど和三盆は落雁に比べて口溶けが良いんですよ。だから「思ってたんと違う!」って言ってもらえたりすると、誇らしいような気持ちになりますね。

あとはアンケートに書かれている言葉。
「御盆のときに、おばあちゃんが好きやったんやよ、って子どもに食べさせて、おばあちゃん思い出話をするきっかけになりました」ということが書かれていたりすると、こちらまで幸せな気持ちになりますよね。

 

ーーとてもほっこりするお話ですね。ただ食べておいしいってだけじゃなくて、お客様に思い出を提供するお仕事でもありますね。
 

 

チームで広げていく、変幻自在な和三盆の魅力

 

ーー小売部ではどんな方々が活躍されていますか?

キャリア的には特別な経験や資格がある子はいなくて、若い女性メンバーが多いですね。店舗運営を任せているのも、高校卒業してからずっと働いてくれている28歳のメンバーです。

 

ーーメンバーの皆さんはどんな目標を立てていらっしゃるんですか?

毎年売上5%UP、という全社の目標があるので、売上の目標は一つ入ってきますね。ただ売上だけが全てじゃないのかなとは思ってまして、長所を伸ばしたり、苦手を克服するような目標を一緒に考えて設定しています。

例えば『接客用語を身に付けるための勉強をする』とか『スーパーの銘菓コーナーに行って販売活動をする』とか『オンラインショップの管理をする』とか、人によってさまざまですね。

 

ーー本店以外でも販売活動をすることがあるんですね!

そうなんです。店ばっかりおったら外の世界が見えんくなるからね。現場で営業的なことをすると客観的にうちの商品を見ることもできますし、店舗にフィードバックをして店舗運営の改善に活かすこともできるだろうし。

「これしかできない」じゃなくて「いろんなことをやる」っていうスタンスのチームにして、個人の引き出しを増やしたいですね。もうどこの会社にいっても重宝されるんじゃないかなって思うくらい、個人の能力が高くなっているメンバーばかりです。ずっとばいこう堂で働き続けてほしいですけどね(笑)

 

ーー今後仲間になるならこんな人がいい!という人物像はありますか?

何か一つに特化したい、じゃなくて、色々なことに興味を持てる方が向いてるのかなと思います。基礎能力は高くなくても、うちの会社で成長してくれればいいかなと思ってて。従業員の成長が会社の成長に結びつくのが理想ですよね。

本店、オンラインショップ、現場、という風に販売方法だけでもさまざまあるんで、興味の幅が広い方にとってはほんまに面白いと思いますよ。

どうしても苦手ってことはさせたくないので、現場行くと緊張して体調が悪くなっちゃうようなメンバーにはオンラインサイトの運営をやってもらったりしてますね。画像の編集、生産者のつぶやき、商品の説明まで全部任せてます。

 

ーー自分の武器を増やしたい方に、ばいこう堂さんはぴったりですね!最後にこれから仲間になる方に伝えたいことはありますか?

お菓子でここまで色や形を変えられるものってないんですよ。だから和三盆にはほんまに夢があります。

日持ちがするし、小さいのでお土産として海外にも持っていきやすいんです。実際に海外のスクールに日本昔ばなしをイメージした和三盆を持って行って、日本の文化を伝えたあとに最後は食べて喜んでもらう、みたいなこともできちゃうんです。

あとは社会人の方が名刺代わりに持参したり、卒業記念品になったり…。本当にいろいろな使い方をされている商品です。こんなに夢のある商品を扱っているんですから、うちはまだまだ業績伸びますよ!今和三盆の存在を知らない方も大歓迎です!食べて、見て、その奥深さを知っていったら、どんどん愛着が湧いてくると思います。

楽しいことをたくさん考えて、一緒にばいこう堂のファンを増やしていきましょう!うちの社長は挑戦することに対しては「いいよ」って言ってくれますんでね!

 

取材後記

和三盆の魅力を語り出すと止まらない有水さん。お話の内容もさることながら、その声色から、そして表情から、嘘偽りのない商品への愛情を感じました。
社員がここまで商品を愛していること。きっとそれが、ばいこう堂さんの魅力を更に引き出す鍵。

自信を持って提供できる商品を扱いたい方、自分の成長を感じながら仕事そのものを楽しみたい方、ぜひばいこう堂さんの仲間になってみませんか?

HP:https://www.baikodo.com/
採用情報:https://hr-hacker.com/baikodo
 

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