一発か凡打か。デミック関西の助っ人セールスマネージャーが放った反撃のホームラン

レッド

written by ダシマス編集部

「突き抜けた人材が来たと思った。新しい取り組みの成功を確信した」――デミック関西エリアマネージャーの梶谷正樹さんは、秋田〇〇さんとの出会いをそう振り返ります。

 

秋田さんは、営業手法の改革により躍進を続けるデミック関西の“改革請負人”。3年前にセールスマネージャーとして入社して以来、梶谷さんと二人三脚で顧客向けサービスの開発などを進めてきました(前回のインタビューはこちら)。

 

創業1989年。神戸市に始まり全国区の企業となった牛乳宅配のデミックは、今、関西エリアから生まれ変わろうとしています。勢いを増すその胎動を追って、秋田さんにお話を伺いました!

秋田 祐介(あきた ゆうすけ)

秋田 祐介(あきた ゆうすけ)

株式会社デミック関西 セールスマネージャー 大阪府豊中市出身の38歳。小学生の頃に野球を始め、社会人リーグまでプレーを続けた元アスリート。28歳で引退後は冠婚葬祭業や牛乳宅配業の営業職に就き、2018年にデミック関西にジョインした。仕事も野球も「三振かホームラン、フルスイングで勝負する」プレースタイル。

面接で生まれたアイデアが会社を変えた

 

―――はじめまして! エリアマネージャーの梶谷さんから「秋田さんがウチに来たから新しい取り組みをスタートできた」と伺っています。面接ではどんなことを話されたのでしょう?

 

秋田:面接が商談みたいやったんですよ!「牛乳屋(乳製品宅配事業者)をもっと世間の人に知ってもらうには、どうしていったらいいと思います?」って聞かれて。

 

牛乳屋は世間から「昔のもの」というイメージを持たれがちだし、若い世代の認知が低い。あと、ご家庭の訪問する営業スタイルでは、なかなか契約の件数が増えない上に、やり方自体が時代遅れのイメージを持たれてしまってて。

 

梶谷さんから「これを変えたい」という話があったんです。「じゃあ何か考えましょう」って話をしているうちに生まれたアイデアが、デミックのファンを増やすためのイベントでした。

 

―――面接の場で新しい取り組みを始めることが決まったわけですね。展開が早い!

 

秋田:そもそもが新しい営業企画を立ち上げるための人材の募集やったんですよ。

 

実を言うと同業他社の面接も決まってて、給与はそっちの方がよかった(笑)。でもデミックに入社したのは、今後が白紙だったから。10年後、20年後、30年後の牛乳屋を築いていく企画に携われることは、すごく魅力的だったんです。

 

―――秋田さんの入社が2018年なので、それから3年が経ったわけですね。イベントでは、どんなことをやっているんでしょうか。

 

秋田:ご契約いただいている会員のお客さまには、ご契約いただいていないご家族の分も、割安で明治の商品をご提供しています。

 

また、デミックのファンを作るための施策もしています。たとえば、会員さまに向けたLINEのグループを作って、イベントで提供する目玉商品の予約を受け付けています。

 

扱っているのはジャージー牛乳を100パーセント使ったミルクリッチバター食パンであったり、「ティラミッシモ」さんのティラミスであったり、たこせんべいであったり…会員さまが飽きないようにいろんな商品を揃えています。LINE会員様は2000人を超えてきましたね。

 

▲デミックのイベントブース。お祭りの露店のような楽しげな雰囲気に人が集まる。


 

―――すごい人数ですね!

 

たくさんの会員さまが集まると目立つので、一般の方も興味をもって見に来てくれるんです。そこでお声がけをして、新規会員の獲得もできるようになりました。

 

明治の宅配専用の商品には、添加物や人口甘味料を使っていないものがあって、お子さんがいるご家庭には特にお勧めしています。そうした話はイベントで触れ合うなかだと、訪問よりもすんなりお客さんに届くんですよ。

 

―――イベントのお得感が集客の秘訣でしょうか?

 

それはもちろんあると思うんですけれども、一番はコミュニケーションだと思うんです。

 

僕らが売っている商品は十万、百万するようなものではなく、月々数千円。さらに明治の商品の素晴らしさは、お客さんも十分ご承知です。なので契約を獲得するにも、維持するにも、どれだけ僕らが親身になれるか、お客さまに喜んでいただけるか、が大事なんです。

 

たとえば営業マンに牛の着ぐるみを着せて、お客さんの対応をしたこともあります。僕なんかもやりましたよ(笑)。その時だけはスイッチを切り替えて、全力で場を盛り上げます。

 

あとはアフターケア。会員になっていただいても、その後の対応が悪かったら続きません。牛乳屋は地域密着なので、良いことも悪いことも評判はすぐに広まります。新しく会員になった方の名前は必ず覚えて、イベントに来られたら「なにかお困りごとはありませんか?」などと、必ず声を掛けるようにしています。その一声があるとないとで、お客さんの表情もガラッと変わるんですよ。

 

▲「自分も子どもがいるから、体に良いものを食べさせたい親の気持ちがわかる」と話していた秋田さん。イベントの営業活動には“親目線”も生かされている。

 

当たらないバットを振り続けた1年半

 

―――特売があったり、着ぐるみで出迎えてくれたり、ラインのグループがあったり…お客さんが楽しめる仕掛けが多いですね。最初から手応えはあったのでしょうか?

 

秋田それが結果が出るまで1年半かかりました。苦しかったですね。10回以上やめようかと思いましたもん(笑)。

 

―――1年半!よく続けられましたね…

 

秋田:もう意地です。

 

会社も始めのうちは、訪問からイベントに転換することに反対意見が多かったんです。イベントは費用もかかりますし、「牛乳の営業はピンポン営業でするもんや」という固定観念があったんで。

 

現場の配達員さん、事務員さん、営業マンさんも、これまでと全く違うことをするんで

反対意見はめちゃくちゃ多かったんですよ。

 

そこをなんとか説得して、やっと協力してもらえたのに、お客さんが全く集まらない(笑)。

 

「このまま成功させずに終わらすと、みんなに申し訳ない」という気持ちで、試行錯誤しながらなんとか続けてきました。特価のイベントだったりを始めたことで、徐々にお客さんが増えてきたのが一年半後のことでした。

 

▲最初期のイベントではカルシウムが摂れる乳飲料の営業と合わせて、骨密度測定を行っていた。秋田さんは「若年層の認知向上につながらず、失敗だった」と振り返る。

 

―――聞いているだけで胃が痛くなりそうです。

 

秋田:でもその方が燃えるんですよ(笑)。関西の人って反対される方がやりがいを感じるタイプが多いと思うんです。

 

みんなが「これいけるよね」って言うアイデアはおもしろくない。それで成功しても、「最初からみんな言ってたやん」てなるし、そういうアイデアが大きく当たることもないと思います。

 

逆にみんなが反対していたアイデアがうまくいったら、「しーん」って静かになるじゃないですか(笑)。あれが楽しい。三振かホームランか、どっちかでいいんです。


 

―――それは確かに痛快ですね(笑)。しかし、1年半結果が出ないと会社からストップはかかりませんでしたか?

 

秋田:それが、反対意見はあっても、止めさせることは絶対にしませんでした。デミックの社風ですね。

 

僕がこの会社を好きなのは「変えられる」ところなんですよね。普通の会社だったら、「こういうのをやりたい」と言っても、なかなか会社を動かせない。でもこの会社だと、「1回やってみたらどうやん?」って応援してくれる。そこはありがたいです。

 

もちろん失敗したら怒られます。でも失敗はちゃんと原因を考えて、次への糧にしたらいいんです。そうやって今のイベントも作ってきました。

 

社長から「関西エリアは言うことを聞かない」って激励の言葉も貰っていますから(笑)。だからどんどん失敗して、新しいことをやっていくつもりでいます。

 

「仕事嫌い」の処方箋は仕事を楽しむこと

 

―――まだまだチャレンジが続くんですね。

 

秋田会社の流れは完全にそうですね。今は業務内容の見直しをしています。今後は赤ちゃんのミルクの取り扱いだったり、若い世代にもっと利用してもらえる業態に変えていくことも視野に入れてます。あとは、乳製品を扱うカフェもやりたいですし、キッチンカーもやってみたいです。

 

流れが変わったのは、関東エリアに岡本エリアマネージャーが入社した影響も大きいです(岡本さんのインタビューはこちら)。彼が「関西と関東で営業マン同士のリモート会議をやりませんか」って提案してくれたんですよ。

 

それ以前は、他のエリアとの交流がほとんどなくて、僕も関東に行くことが一切なかった。でもここ数か月かで、急激に変化のスピードが早まった実感があります。

 

―――どういうお話をされるんでしょうか。

 

秋田:岡本さんは計画と数字を明確にするタイプ。で、僕は直感型なので全然タイプが違うんです。話していると考えが変わってくるし、新しい発見があるので楽しいんですよ。

 

会社員をやっていると、現状維持を考えがちになってしまうと思うんです。でも、岡本さんは10年後、20年後、30年後の牛乳屋について、みんなと一緒に考えようとしてる。先を考えるから、今、どうするべきなのか見えてくるんですよね。そういう機会を会社として持つことができるのは、非常にプラスです。

 

岡本さんは「巻き込み力」もすごい。他のエリアも巻き込んで、デミックはこれから一気に変わるんじゃないかと思います。

 

―――これから入社する人は、新しいことに挑戦できそうですね。

 

秋田:そうですね。イベントについて言えばある程度、形になってきましたけど、形があるとその中でしか考えられなくなってきます。新しいスタッフには若い世代の感性があると思うので、現場を見ていく中で、どんどん変えていってもらえるのが一番ありがたいです。

 

▲デミック関西が手がける乳製品の実店舗「DEMI DELI FARM」のtiktok。アルバイトの発案でアカウントを作った。

 

あとは仕事が嫌いな人もいいと思います。僕も仕事嫌いなんで、その分、遊びのような気持ちで向き合ってます。その方が仕事っていう感覚を失うんですよね。

 

特にイベントや接客は、僕らが楽しんでいることが大事です。お客さんと冗談を言い合ったり、スタッフ同士でワイワイしてる方がお客さんも楽しい気持ちになれますから。牛の着ぐるみを来たら、牛に成り切るのも仕事です(笑)。

 

―――最後に、求職中の方にメッセージをお願いします。

 

これからのデミックに必要なのはホームラン。単打を打つぐらいやったら思いっきり三振した方がいいかなっていうぐらいです。

 

なので、とにかく諦めへんことだと思うんですよね。諦めへんと成功は絶対来ますから。ずっと打席に入って三振し続けても、いつかホームランを当てる気持ちでこれからもやっていきたいですね。

 

編集後記

前回のインタビューで聞いていた「突き抜けた人材」という秋田さんの人物評。実際に会ってみると、突き抜けているのは計算高さや分析力というより、逆境をものともしない並外れたバイタリティだと感じました。今まさに変革期にあるデミックは、これからますます「反対されるほど燃える」人材が輝く舞台になっていくのだと思います。


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