多くの人のお腹と心を満たし、愛され続ける「ひら匠」。店主の誠実な姿勢と従業員との強い絆に迫る

レッド

written by ダシマス編集部

高級住宅街として語られる東京広尾の街中で、一際食欲を誘う香りを漂わせるのは、2007年に創業した「​​麺飯食堂 ひら匠」。近郊の学生や多くの常連客に愛され、口コミサイトでもその味はもちろん、「気前のいい量でお腹いっぱい食べられる!」と、ファンからの熱い声が寄せられています。

そんな「ひら匠」の店主としてあたたかな空間と料理を提供し続けてきた、平賀 幸弘(ひらが ゆきひろ)さんに今回はお話を伺いました。取材中に語られた「働いてよかったと感じてもらいたい」という言葉から滲み出るあたたかさは、従業員や常連客から第二のお父さんのように慕われる所以が感じられます。たくさんの人々に愛され続ける「ひら匠」店主の、仕事に向き合う実直さと人情味あふれる従業員への思いとは。

平賀 幸弘(ひらが ゆきひろ)さん

平賀 幸弘(ひらが ゆきひろ)さん

中華歴37年。学生時代のアルバイトがきっかけで、町中華の道に入る。「丁寧な仕込み&来てくれた人をお腹いっぱいに」をモットーに日々厨房に立つ。映画鑑賞、中華・お寿司が好き。

執筆:神田 佳恵(なりー)

執筆:神田 佳恵(なりー)

フリーランスライター。"何気ない人生にスポットライトを当てる"をテーマに置き、インタビューを中心にイベントレポート・SNS・HPなど多分野にて執筆活動中。コミュニティ運営や編集アシスタントとしても従事し活動の幅を広げる。一児の母。夫と息子、note、推し、旅が好き。

紆余曲折の中で町中華と連れ添ってこられた理由は、「地道に一歩ずつ」

▲若かりしき頃の平賀さん

 

ーー平賀さんが「ひら匠」を開店するまでの経緯をお伺いしてよろしいでしょうか。

最初に町中華の味と出会ったのは、幼い頃に食べた「どさん子ラーメン」でしたね。それが働く場所に変わったのが高校卒業後です。専門学校に進学してから、1年ほどアルバイトとしてはたらきました。

それから少し仕事を離れたり、一度は寿司の道にも挑戦したりもしたのですが、思うようにいかず。アルバイトの経験もありましたし、再挑戦するなら町中華かなと考えて、日本橋のお店で見習いから修行しました。できることも増えて、最終的にはフロアマネージャーや経理に関する仕事まで任せていただくようになりました。

37歳で独立して一度別の店を始めたのですが、そちらは閉じて42歳で「ひら匠」を始め、今年で17年目になります。

 

ーー平賀さんが町中華の道を選んだ理由をお聞かせください。

町中華の雰囲気が肌に合っていたんだと思います。

会社勤めの働き方は、私には少し堅苦しく感じられましたし、将来自分の店が残る飲食店の方がいいなと。そのうえで、町中華にはこれまでも縁があり、フラットな空気感が居心地よく感じられたのかなと思いますね。

 

ーー「ひら匠」は今年で17年目と伺いました。17年も続けてこられた秘訣は何でしょうか。

明確な何かがあったとは言えませんが、地道に一歩ずつ続けてきた結果なんだと思います。

 

ーー日々の努力の積み重ねが、長年愛される「ひら匠」の今につながっているのですね。とはいえ、これまでの道のりで大変なこともあったのではないでしょうか。

そうですね、人手不足で寝ずに仕事をする日々が続いた時期は、体力的な負担がメンタル面にも負荷がかかってくることもありました。あと、ここ最近の話ですが、物価高の影響もあり一度だけ、断腸の思いで価格改定をさせていただきました。

でもいつも大変なわけではないですよ。おかげさまで今でも楽しくお店を続けさせていただいています。

 

量も味も満足してもらうための丁寧な仕込み。意図せぬところで人気メニューを思いつくことも

ーー店長の平賀さんの思う、「ひら匠」のイチオシポイントを教えてください。

味にはもちろん自信がありますし、量にも糸目をつけないようにしています。

お客様には、おいしいものをお腹いっぱい食べて満足していただきたいという、私のこだわりでもありますね。

 

ーー確かに、口コミやグルメレビューで「爆盛り」や「量の気前のよさ」の言及も多く見られました。大量のメニューを日々提供するとなると、仕込みから重要になりそうですね。

長年店を続けていると、自然と1日の材料の使用量がわかってくるようになるんです。売り上げに対して、どの野菜をどれくらい仕込めばいいか、次第に身体が覚えていくので、これも積み重ねの結果だと思います。

仕込みでさらに重要なのは、必ずレシピに則って正確に行うこと。ただ材料を混ぜるような単純なことではないと思っています。段取りを違わずに、丁寧に進めることが、味でも量でもお客様の期待を裏切らない仕込みの鉄則かなと。

 

ーー仕入れからも、平賀さんや「ひら匠」の皆さんの誠実に向き合う姿勢が伝わってきます。「ひら匠」が一番自信を持ってオススメするメニューを、ぜひ教えてください。

チャーハンです。炒めるときに使う油にこだわりがありまして。葱油という香味油を使って、味に印象を持たせるように炒めています。

味にインパクトを与える目的とは別で、葱油を使うことは、どの従業員が鍋を振るっても味を均一に保つことにもつながっています。万が一私が体調不良などの理由で出勤できなくても、葱油を含む調味料の分量さえ間違わなければ、いつもの「ひら匠」のチャーハンを提供できるようにしておけるというわけです。

特に味の決め手になっている葱油は不可欠なので、事前に十分な量を作っておくように心掛けています。

 

ーーお話を聞いただけでも、香ばしいチャーハンの香りがしてくるようです……!お店のメニュー誕生秘話なども、何かあれば聞かせてください。

「中華屋さんの親子丼」という商品があるのですが、実はあれは元々従業員にまかないとして提供していたものを改良してメニュー化したものなんです。女性従業員のリクエストが多くよく作っていたのですが、あるとき「これをお客様にも提供したら喜んでもらえるかもしれない」と思いついて。

今でもことあるごとに、お客様に喜んでもらえそうなものがないかと考えてはいますが、あれこれと考えすぎて堂々巡りになってしまうことも。案外意図せずに生まれたアイデアの方がのちにうまくいくことがあるなと思うことがありますね。

 

お腹が空いたら「ひら匠」を思い出す、そんな存在でありたい

 

ーー現在「ひら匠」では何名の従業員が働いていますか。

今は社員が4名です。アルバイトの方はもっとたくさんいますが、学生さんが多いので週一シフトで働いている方も多く、より人手を増やしたいと考えているところです。若い方もたくさん働いてくれているんですよ。

 

ーー従業員とのコミュニケーションで、意識していることなどはありますか。

社員も含め、出勤してきたらまず全員の顔色をよく見るようにしていますね。そして調子や様子を確認して、少しでもいつもと違う雰囲気を感じたら積極的に声をかけます。「気にかけてもらえているんだな」ともし感じてもらえたら、安心につながっていくと思うので。

あとは、「怒る」と「注意する」の違いも意識しながらコミュニケーションしています。頭ごなしに怒りをぶつけるようなことはせず、成長して仕事もできるようになってもらいたいからこそ、理解できるようにしっかり説明して伝える。誰でも最初はできないことが多いものですが、続けていればできることが増えていきます。できることが増えると喜んでくれますし、私もその姿を見て嬉しく感じるんです。

働いている今も、そして辞めた後も、「ここで働いていてよかった」と思ってもらえたら嬉しく思います。

 

ーーお客様はもちろん、従業員のことも大切にする「ひら匠」のあたたかみが感じられます。

「ひら匠」は、お客様や従業員にとって「家」のような存在でありたいと思っているんです。お腹が空いたら「ひら匠」を思い出してもらえる、そんな場所になれたらと思っています。

ありがたいことに、もう十何年と足を運んでくださる常連のお客様もいらっしゃいますし、学生時代によく食べにきてくれたカップルが、今では結婚して生まれたお子さんと一緒に遊びに来てくれることもあります。卒業していった従業員でも、もう14年以上前に大学生アルバイトとして働いていた子が、今でも食べにきてくれたり、九州に引っ越してしまった子が「東京に来たから」と、ふらっと立ち寄ってくれたり。

 

ーー一度結んだ縁が今でも強く続いているのですね。平賀さんご自身は、お若い方と接するのはお好きですか。

もちろん!従業員からはいつも若さやパワーをもらっていて、私も若返ったような気分になります。テレビや世間の流行など、私の知らない世界をいろいろと教えてもらうこともあって、毎日刺激的です。

気を遣わなくていいと言っていても、「旅行に行ってきたから」とわざわざお土産を買ってきてくれたり、反対に私もお土産を渡したり、日々のちょっとした会話も仕事の楽しみになっていたりします。若者は大好きですよ。

 

妥協せず、まっすぐに仕事に向き合い、「ひら匠」を後世まで残していきたい

ーー平賀さんはどんなときに仕事のやりがいを感じますか。

少しずつお客様が増えていったり、新しいお客様に出会えたりするとやりがいを感じます。

昔は暇な時間が多い日もありましたが、お客様や従業員がお店のことを話題に上げてくれているのか、自然にお客様の数も増えてきました。たくさんの方々に支えていただいたおかげで、今があると思っています。

 

ーー平賀さんご自身が仕事をする中で大切にしていることを教えてください。

やはり、いかに妥協せず誠実に取り組むかですね。接客も調理も、経営も含めてすべて誠実な姿勢が大切だと考えています。

疲れているときも、気分が落ちてしまっているときも、お客様や従業員の前で最高の仕事ができているのか。常に自問自答しながら毎日ひたむきに仕事をするよう心掛けています。

 

ーー仕事に真摯に向き合う平賀さんのこだわりは、きっとたくさんの人に伝わっているのだと思います。今後の目標も教えてください。

お店を次世代につないでくれる、後継者を育てていくことが今後の目標ですね。手塩にかけて作り育ててきたお店ですので、やはり後世に残していきたいという思いはあります。

私と同じように、仕事に誠実に、真面目に向き合ってくれる方がもし「ひら匠」に来てくれたら、安心してお店を任せていきたいなと思っています。

 

ーー最後に、「ひら匠」で働けばどんないいことがあるか、ぜひ読者にアピールをお願いします!

もしも「ひら匠」で働いてくだされば、勤務日は必ずまかないでお腹いっぱいにして仕事を上がれることをお約束します(笑)。量に決まりはありませんし、どんぶりご飯に麻婆豆腐など、好きなものを添えて食べるのも大歓迎です。

おいしい町中華を食べながら、楽しくまっすぐに仕事に取り組んでいきたいと思ってくださる方がいたら、ぜひ一度「ひら匠」を訪れてほしいなと思います。

 

ひら匠の採用情報はこちらから

https://hr-hacker.com/hirasyou/job-offers

 

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