「お互いが助け合って、お互いが恵み合うこと」——地域と共に支え合う未来へ

レッド

written by ダシマス編集部

社会福祉法人こうほうえん

社会福祉法人こうほうえんは、鳥取と東京を拠点に、介護、保育、医療、障がい福祉など、幅広いサービスを展開しています。「お互いが助け合って、お互いが恵み合うこと」を理念として掲げ、地域とのつながりを大切にしながら、信頼されるサービスの提供を目指しています。利用者さん一人ひとりが自分らしく生活できるよう支援し、地域社会の一員としての役割を果たしています。

今回お話を伺ったのは、介護老人福祉施設よなご幸朋苑で働く大村亮平さん(おおむらりょうへい)さん。学生時代からサッカーに熱中し、社会人チームでも活躍した経験を持つ大村さんは、サッカーチームのスポンサーだった介護施設でのアルバイトをきっかけに、介護の道へ進む事を決意しました。地元に戻り、「よなご幸朋苑」での勤務を開始してから5年。利用者さん一人ひとりの生活リズムに寄り添い、心温まるケアを提供しています。

明るく、支え合う職場環境の中で、今では新人の指導も担う頼れる存在となり、仕事とプライベートのバランスを大切にしながら成長を続けている大村さん。介護職としてのやりがい、職場環境の魅力、日々の業務で感じる充実感などについてお話を伺いました。

よなご幸朋苑:大村 亮平(おおむら りょうへい)さん

よなご幸朋苑:大村 亮平(おおむら りょうへい)さん

「よなご幸朋苑」で介護職を務める大村さんは、鳥取県米子市出身の34歳。結婚9年目で、小学校3年生と幼稚園年長のお子さんが2人います。奥様も介護の仕事をしており、家庭でも仕事の相談がしやすく、互いに理解し合いながら支え合っています。学生時代からサッカーに熱中し、社会人チームでも活躍した経験をもつ大村さんは、チームのスポンサーだった介護施設でのアルバイトを機に介護の道へ転身しました。地元に戻り、紹介を通じて「よなご幸朋苑」に入社して5年間、利用者さん一人ひとりの生活リズムに丁寧に寄り添ったケアを心かげています。明るく支え合う職場環境のなか、新人の指導役も担いながら成長を続けている頼れる存在です。仕事とプライベートのバランスを大切にし、子どもとの時間やジム通いで心身のリフレッシュを図る一方で、家ではYouTubeを見たりスポーツ観戦をしてリラックスする時間も大切にしています。また、お酒を飲む事も好きで、一人でゆっくりお酒を楽しんだり、職場の仲間と飲みに行く事もあります。

サッカー青年が見つけた“人生のもうひとつのフィールド”

――介護の仕事に興味を持ったきっかけは何ですか?

小学生から社会人まで、ずっとサッカーに打ち込んできました。仲間と連携しながらゴールを目指す、その瞬間がたまらなく好きでした。そんな僕の人生が大きく変わったのは、社会人時代に所属していたサッカーチームのスポンサーが介護施設だった事にあります。その介護施設でアルバイトを始めた事で、介護の世界に触れました。利用者さんと会話したり、笑顔を引き出したりする時間がとても新鮮で、心が温かくなるのを感じたんです。「人と人とのつながりを大切にする仕事って、こんなに素敵なんだ」と気づき、福祉の道に進む事を決意しました。大学卒業後は三重県の介護施設で経験を積みましたが、家族と一緒に暮らすために地元へ戻る事を決めました。現在は、よなご幸朋苑で働いて5年目になります。サッカーで培った体力やチームワークの精神は、今の仕事にもそのまま活かされています。利用者さん一人ひとりを「自分の家族のように」と思いながら、日々笑顔と安心を届けられるよう努めています。介護の現場は、僕にとってもうひとつのフィールドです。これからも利用者さんの笑顔を守り、安心を届けるために、全力で走り続けたいと思っています。

生活のリズムと個性に合わせる“本物のチームケア”

――よなご幸朋苑での仕事内容や現場の特色は?

私が担当するユニットは11名の利用者さんに7名の職員配置です。食事・入浴・排泄などの生活全般の介助から、季節の行事、地域交流など、幅広い業務に関わっています。特徴は「施設の都合ではなく、利用者さんの生活リズムに合わせる」事です。昼食の時間が皆と一緒でなくても、食べたい人が食べたい時に、できるだけ自分のペースで快適に過ごしてもらっています。“ここは施設ではなく、その人の家”。その意識をチーム全員が共有しています。例えば、ある利用者さんは昔からドラマを観てから食事をとる習慣があり、その時間を大切にされています。私たちはその習慣を尊重し、あえて他の方より遅めの時間で対応をします。そんな小さな積み重ねが「自分らしく暮らせる」安心感につながるんです。

チームの年齢層は20代から50代まで幅広く、性格や得意分野もそれぞれ異なります。しかし、誰かが困っていると自然に声を掛け合い、助け合う関係が築かれています。特に行事の企画時などは、若手が新しいアイデアを提案し、ベテランが経験を活かして支え、外国人スタッフが母国の文化を取り入れるなど、さまざまな“色”が混ざり合ってひとつのイベントを作り上げるのが、この職場の魅力です。チームには女性リーダーや外国人スタッフ(インドネシア、ベトナム)もおり、互いに刺激を受けながら和気あいあいとした雰囲気で働いています。過去には、外国人スタッフによる母国の料理をふるまうイベントもあり、みんなで楽しく協力し合いながら成長できる環境です。

 

思いが通じない時こそ、心で寄り添う

――仕事で難しいと感じた事はありますか?

利用者さんの思いを感じ取れない時、想いが伝わらない時ですね。特に認知症の利用者さんに対しては、こちらの言葉が届かない事があります。最初はその状況に対して焦りを感じ、「どうすれば伝わるのか」と悩んでいました。しかし、次第に「言葉ですべてを説明しなくてもいいのだ」と気づく事ができました。例えば、入浴介助の際に説明をしても、どうしても拒否される方がいらっしゃいます。そんな時、言葉での説明を繰り返すのではなく、静かに靴下をゆっくり脱ぎながら目を合わせるようにしています。そのシンプルな行動だけで、「ああ、お風呂の時間なんだな」と理解してくださる事があります。このような非言語コミュニケーションこそが、利用者さんとの信頼関係を深める手助けになると感じています。

言葉以上に大切なのは、声のトーンや目線、そして触れ方といった“非言語のサイン”だと感じています。相手を理解しようとする気持ちが先にあってこそ、初めて効果的なコミュニケーションが生まれます。言葉だけではなく、心で通じ合う事を大切にしています。

施設として、月に2回ほど勉強会が開催され、スタッフ全員で最新の知識をアップデートしています。鳥取県が主催する研修にも参加し、認知症を始め様々な知識を深めています。このような学びを通じて、利用者さんに対するケアをより良いものにしていきたいと考えています。

 

誰もひとりにしない職場文化と育て合う風土

――職場の雰囲気や教育体制について教えて下さい。

介護の現場では、急な体調変化や想定外の出来事が多く、常に柔軟に対応する必要があります。しかし、そんな状況でも不安を感じる事が少ないのは、チーム全員が支え合う文化が根付いているからだと思います。看護師、介護士、栄養士、作業療法士、ケアマネジャー、生活相談員、外部の厨房や清掃スタッフなど、様々な職種が連携し、助け合う風土がしっかりと築かれています。職種に関係なく、誰もが対等に意見を出し合い、協力し合いながら最適なケアを提供しています。

新人教育には、法人全体で導入している「エルダー制度」を採用しています。この制度では、1人の新人に対して、チーム全体でサポートし合いながら成長を支援しています。指導者が一人に偏る事なく、様々な視点での指導を受ける事ができます。チェックリストも活用しており、新人職員の習熟度を見守りながら、チーム全体で「育て合う」意識を大切にしています。

私自身も昨年、エルダーとして18歳の新入職員の育成を担当しました。指導で一番難しかったのは、伝えた事を理解してもらう事でした。自分の伝え方に課題を感じたため、ベテランの先輩に相談しながら改善していきました。

その子の良い所に目を向けると、利用者さんに誰よりも寄り添っている姿がありました。できない事にも前向きに挑戦して、日々成長していく姿を見守る事ができ、とても嬉しく思っています。「教える事は、学ぶ事」新人と向き合う事で、自分の介護に対する考え方や姿勢もより明確になり、成長を実感しています。

家族のように寄り添い、笑顔を共に創る

――仕事のやりがいを教えて下さい。

介護職のやりがいは、利用者さんの「笑顔」や、ふとした時にいただく「ありがとう」の言葉です。気持ちが伝わった瞬間、「この仕事でしか得られない充実感」を感じる事ができます。

勤続20年のリーダーとの出会いを転機に、「利用者さんと共に楽しむ」ケアを軸に働いています。その方がその人らしく過ごせるようにサポートし、施設でありながら、まるで自宅のように感じてもらえる環境を心がけています。私たちは、他人ではなく、家族に近い存在として接しています。

――今後の目標を教えて下さい。

毎日をご利用者さんと楽しく過ごす事です。そのために、知識を深め、今の利用者さんの状態に合ったケアを提供したいと考えています。介護の現場はゴールがないからこそ、常に利用者さんに向き合い、より良いケアを提供していきたいと思っています。

自分の強みは、誰とでも気軽に話せる事です。しかし、話す事がすべてではないと考えています。大切なのは、表情をしっかりと読み取り、その方の気持ちを理解する事だと思っています。失敗や試行錯誤も日々の糧にし、成長し続けています。

“一緒に笑う”がすべての原点——未来への挑戦と新しい仲間へ

――これから介護職を志す人へのメッセージをお願いします。

新しく入社する仲間には、「新しい環境に飛び込む時は、不安があって当たり前!でも支えてくれる仲間がたくさんいます。みんなで一緒に笑い、成長できる場所で活躍しませんか?」と伝えたいです。

介護の現場は予測できない出来事も多く、時には大変な場面もありますが、そうした時こそ、チーム全体で支え合う事が大切です。ここでは、どんな問題も一人で抱え込む必要はなく、必ず頼れる仲間がいます。私たちが目指すのは、利用者さんだけでなく職員も家族のように感じられる場所です。

そんな温かくて頼りにできる職場で、自分も成長しながら利用者さんの笑顔を一緒に作り出す喜びを感じてほしいと思っています。どんなに小さな事でも、共に学び、共に成長する喜びを感じられる環境です。ぜひ、新しい一歩を踏み出し、共に成長し笑顔あふれる職場をつくりましょう!

 

(取材・執筆:堀角 和起)

 

社会福祉法人こうほうえんの詳細・採用情報はこちらから

◆HP:https://kohoen.jp/

 

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