今知っておきたい!地域おこし協力隊から始める移住のすすめ【長野県小海町編】

レッド

written by 斉藤彩

都市の人にお金を払って人口減少が進んでいる地域で仕事をしてもらおう!そしてそのまま住んでもらおう!という国推進の制度、地域おこし協力隊。(とてもざっくりな説明です)

人口が4500人にまで減少している長野県小海町では、なんと現在9人もの地域おこし協力隊が活動しているんだとか。

なぜ今小海町に若い人が集まるのか。
そしてどんな方に地域おこし協力隊がおすすめなのか。

実際に協力隊の採用やサポートを担当している小海町役場の篠原潤さん(以下、潤さん)と新井あす美さん(以下、あす美さん)のお二人に、その理由を伺いました!

インタビュイー:篠原 潤(しのはら じゅん)さん

インタビュイー:篠原 潤(しのはら じゅん)さん

長野県南佐久郡小海町生まれ。
大学で上京するも卒業後に小海町に戻り、そのまま小海町役場に就職。
産業建設課、町民課、一般社団法人 開発公社、一般社団法人 地域活性化センターへ出向など様々な部署移動を経て現在は渉外戦略係に。

出身高校:野沢北高校 役場歴:21年
東京で就職しなかった理由は、満員電車がとにかく嫌いだったから。

インタビュイー:新井 あす美(あらい あすみ)さん

インタビュイー:新井 あす美(あらい あすみ)さん

長野県南佐久郡小海町出身。
潤さんと同じく、大学は上京するも卒業後に小海町に戻り、そのまま小海町役場に就職。
町民課や産業建設課を経て、今年4月から渉外戦略係へ。

出身高校:佐久長聖高校 役場歴:9年
東京で就職しなかった理由は、人さみしくなり小海町の温かさが恋しくなったから。

 

移住者続々!小海町の地域おこし協力隊

ーーー今回地域おこし協力隊を募集されている背景を教えてください!

あす美さん:小海町は人口4500人の小さな町です。だから若い人に移住してもらって、地域を盛り上げたいなと思っています。
協力隊の任期が終わった3年以降も関わってくれるような方と出会えたら嬉しいです。

ーーーすでに9名の方が地域おこし協力隊として活動されてるとのことですが、実際にみなさんが行っているのはどんなお仕事なんでしょうか?

潤さん:4名がワイン用ぶどうの栽培、2名が鞍掛豆豆腐の継業をしてくれています。
あとの3名は、移動販売業、NPO法人、憩うまちこうみ事業の事務局業務をそれぞれお任せしている形ですね。

基本的に小海町の協力隊には、責任を持って一つの”事業”を担当してもらうようにしています。

ーーー協力隊の任期は最長でも3年とのことですが、任期終了後はどのように関わることになるんでしょうか?

潤さん:今までの協力隊の事例で言うと、そのまま小海町で個人事業主をやってる人もいるし、町内の民間企業に務めている人もいますよ。

例えば以前WEBデザインや広報を担当してくれてた方は今隣の佐久市で事業をやってて、奥さんは軽井沢町で働いてるみたいです。

今ワイン用ぶどうの栽培をしているノーマンズの4人は、任期の3年ではワイナリーの完成までに時間が足りないので、その後も小海町で事業を続けるんじゃないかな。

ーーー定住してもらうのが地域おこし協力隊の目的の一つだと思うんですが、実際任期終了後も小海町や周辺の市に住んでいる方の割合はどれくらいなんですか?

あす美さん:7割くらいの方はそのまま住んでるんじゃないかな。定住率はね、高いと思いますよ。
 

住み続けたくなる要因は、協力隊と真摯に向き合う姿勢にあり

ーーー「地域おこし協力隊」と検索すると「ひどい」「やばい」などネガティブなワードが目立ちますが、実際のところどうなんでしょうか…?

潤さん:地域によってはネガティブな印象を持って働いている協力隊は多いと思いますよ。地元の人との関係がうまくいかなかったり、役場の人と意思疎通が取れなかったりね。

お互い悪い部分もあるなと思うけど、協力隊として入る前にきちんと細かい説明をしておかなかったり、任期中もサポートしてあげなかったりっていう話を聞くと、役場側が悪いなと思っちゃいますよね。

あす美さん:役場は職員の異動が定期的に発生するので、引継ぎが上手くできてなくて「前の人は良かったのに」ということもあるみたいです。

ーーー協力隊の方に不満を感じさせないために、小海町ではどういった対策を取っているんですか?

潤さん:まずは事前の説明を丁寧にすること。あとで「こんなの聞いてない」ってならないようにね。

国からね、地域おこし協力隊に支給されるお金があるんですよ。
それを事業運営の資金だったり活動費に充ててもらえるんだけど、実際はその中から協力隊のお給料も出さなきゃいけないから、全額を協力隊の資金として使えるわけじゃないんだよね。

でもそこをきちんと説明してなかったりして、協力隊と揉めちゃうことが多いみたい。特にお金のことは揉める要因になりやすいから、僕らも説明は丁寧にしないとだよね。

あす美さん:協力隊のみなさんにはそれぞれ活動拠点があるんですが、こまめにコミュニケーションを取るようにして、相談しやすい関係を作るのは意識してますね。実際役場に来て相談してくれたりもするので、頼ってくれて嬉しいなと思ってます。

協力隊募集って、いわばこっちが「来て」ってお願いしてるわけじゃないですか。だから関係性を築くことは、私たちの重要な役割だと思っています。

ーーー役場の方との関係性が上手くいけば安心して働けるのではないかと感じたのですが、地域おこし協力隊として働くにあたって、覚悟しておいてほしいことはありますか?

あす美さん:あえて言うなら、地元の方の距離の近さ、ですかね。移住してくる人って町の人からしたら珍しいし、みなさん面倒見がいいから「大丈夫?」とか「うちで採れた野菜あげるね」とかってものすごく気にかけてくれるんですよ。
地元の私たちでさえ窮屈に感じることもあるくらいなので、最初は戸惑うと思います。

潤さん:都会だと誰も自分のことなんて見てないから、それがさみしい反面気楽じゃないですか。こっちは反対で、付き合いの深さがありがたくもあり面倒くさく感じてしまうこともあるかもしれません。

 

5年後10年後の小海町を、一緒に盛り上げていきませんか?

ーーー新たに協力隊として採用される方はどんな方だと嬉しいですか?

潤さん:挨拶ができるとか、メールをきちんと返せるとか、社会人として最低限のマナーは備わっている方がいいなと思います。

町のためにとか、そんな熱い思いがなくたっていいので、責任のある行動が取ってもらえたらいいな。

あす美さん:都会と田舎では価値観が違う、ということを理解してくれたら嬉しいなと思います。

例えば東京の人からしたら非効率に見えることも、そこに至った経緯があるわけじゃないですか。その経緯を無視して、言葉を選ばずに「それって良くないよね」って指摘してしまうような方だと、衝突が生まれてしまうのかなと。

相手を思ったコミュニケーションが取れる方であれば、他に心配することはないですね。

ーーー最後に、地域おこし協力隊いいかも!と思っている方に向けて、とっておきの口説き文句をお願いします!

あす美さん:とにかく小海町は『人』がいいです。役場のバックアップ体制もそうだし、近所の人も本当に良くしてくれます。

たとえ協力隊を辞めて東京に戻ったりしても、顔を見せに来てくれたら「よく帰ってきたね」「おかえり」って言ってくれるような、そんな関係性が築けると思います。

潤さん:人口が4500人しかいないからね。一人一人の顔が見れるから、こっちも向こうも顔覚えちゃうよね。

僕からの口説き文句はね、まぁ『自然』だな。本当に。心が洗われますよ。特に星空ね。灯りがないから、何回見ても本当に綺麗なの。特に冬の空を見ると、「あぁ、満天の星空ってこのことを言うんだなぁ」って

僕は東京も好きですけど、自然の中にいる方が人間としては普通なんだろうなと思うくらい、ストレスはなくなりますよ。

急に地域おこし協力隊になる、なんて決心はつかない方が多いと思うけど、そういう方にも一度遊びに来てもらえたらいいなと思いますね。

 

小海町役場、地域おこし協力隊まだまだ募集中!

逃げも隠れもしません。この二人でみなさんの移住をサポートします!
少しでも気になった方は、実際の求人HPも見てみてくださいね!

 

この記事をシェアしよう!

  • hatena