「難しい」と言われることにチャレンジ。繊維設備のプロが語る、小さな会社だからこそできる面白い仕事
written by 大西マリコ
株式会社クロマテック
石川県で繊維機械の販売・修理・メンテナンスを手がける株式会社クロマテック。創業から15年間連続黒字を達成し、現在8名の少数精鋭で事業を展開しています。「最初から最後まで何でもできる」環境で、スタッフ一人ひとりが成長できる職場づくりを大切にしているという上田社長に、代表取締役の上田一成社長に、会社の魅力や求める人材について話を伺いました。
株式会社クロマテック代表取締役 上田 一成さん
大学卒業後、日産自動車の繊維機械事業部で3年間勤務。金沢に戻り親族が経営していた繊維関連会社で働いた後、リーマンショックによる経営難を機に2011年に独立し、クロマテック株式会社を設立。「自分がやりたいようにやりたい」という思いから始まった会社で、他社が手を出さないニッチな分野に挑戦し続け、15年間連続黒字を達成している。
「難しい」と言われることが、実は一番面白い

──まずは、御社がどのような事業をされているのか教えてください。
繊維機械の販売、修理、メンテナンスが主な事業です。ただ、私たちが特に力を入れているのは、同業者がやりたがらないような「ちょっと難しいこと」なんです。
例えば、古い機械の部品が壊れた時、多くのメーカーは「もう廃番です。新しい機械を買ってください」と言います。でも部品が壊れるたびに何百万もかけて買い替えるのは現実的じゃないですよね。私たちは何が何でもその部品を手に入れる方法を考えるし、どうしても入手できなければ加工して使えるようにする。そういう「できない」と諦められがちなことにチャレンジするのが面白いんです。
──そのような取り組みをされるようになったきっかけはあるのでしょうか。
実は私、大学卒業後に日産自動車の繊維機械事業部で3年間働いた後、親戚が経営していた会社に入ったんです。でもリーマンショックの頃で景気が悪く、会社が潰れそうになった。それなら自分の思った通りの会社をしてみたいなと思って独立したのが始まりです。
自分なりのコンセプトがありました。大きな組織だと歯車の一部分的な仕事になってしまいがちですが、自分がやりたいようにやりたい。自分自身も納得し、お客様にも喜んでいただけるような仕事がしたかったんです。
最初から最後まで、何でもできる環境

──大手企業と比較して、クロマテックさんならではの魅力はどこにあるのでしょうか。
うちの最大の魅力は、スタッフ一人ひとりが「最初から最後まで」全部経験できることですね。大きな会社だと部署が決まっていて、担当範囲が限られますが、8人という小人数なので、営業から開発、サービス、経理まで幅広く関わることができます。
私は2、3ヶ月に1回ぐらい、スタッフと直接面談をしているんです。「今度は営業もやってみたい」という要望があれば、期間を設けて実際にチャレンジしてもらう。やりたいことにチャレンジできるというのは、他社との大きな違いだと思います。
──風通しの良い職場環境だと伺いましたが、実際の社内の雰囲気はいかがですか。
入社3、4年目のスタッフが「社長、それって無駄遣いじゃないですかね?」なんてはっきり言ってきます(笑)。そのくらいフラットな関係ですね。
その代わり、仕事に必要な道具や機械の相談には必ず乗ります。先日も「こういう工具があれば、こんな仕事ができて、こんな結果が出せます」という提案があって、スタッフのやりたいことを実現するための投資は惜しみません。
──お忙しい日々かと思いますが、急な対応が必要になることもあるのでしょうか。
そうですね。朝会社に来て予定を立てていても、お客様から「機械が止まって工場の生産がストップしてしまった。大至急助けてほしい」と連絡があれば、予定の優先順位が変わります。
これを「嫌だ」という人もいるんですが、私にとってはそれが当たり前。目の前で困っている人がいたら、他のことを後回しにしてでも助けるじゃないですか。そういう気持ちで仕事に取り組める人が、うちに向いていると思います。
求める人材は「チャレンジ精神」のある人

──どのような方と一緒に働きたいとお考えですか。
面接では必ず2つのことをお伝えしています。1つ目は機械を触るのが嫌いでないこと。工学部出身である必要はありません。理系じゃなくても構わないんです。機械が嫌いじゃなければ、技術はすべてお教えします。
2つ目は、お客様のところまで片道30分から1時間程度の移動があるので、車の運転が苦にならないこと。外回りが基本になるので、これは重要な条件です。
──技術的な経験がなくても大丈夫だということですが、どのような方が特に向いているのでしょうか。
自分自身を高めていきたいと思っている人、何かにチャレンジしてみようと思える人ですね。逆に、決まった時間に決まったことだけをやって、変化を嫌う方には少し難しいかもしれません。
例えば会社説明会では必ずこんな話をします。朝出社して1から6番目まで仕事の順番を決めていても、お客様から緊急の依頼があれば、7番目の案件が1、2番の間に割り込んできます。こういう優先順位の変更を気にしない、むしろお客様から「助かった、ありがとう」と言われて「よっしゃ!」と思える人が向いています。
業界の将来性と新しい挑戦

──繊維業界の将来性について、どのようにお考えですか。
確かに繊維業界は縮小傾向にありますが、ゼロになることはありません。日本は今、量産から高付加価値製品にシフトしています。
例えば、ボーイングやエアバスが使っている航空機の素材も、カーボン繊維という織物なんです。軽くて硬くて強い。人工血管も織物でできています。血圧が上がった時に収縮するけれど、織物だから破れない。こういう高精度な分野では、日本の技術が不可欠なんです。
──今後の展望について聞かせてください。
スタッフは20人以下に抑えて、「こじんまり楽しく」やっていきたいですね。人数が多すぎると機動力が落ちてしまいますから。いつでもアクティブに動けて、みんなで楽しみながら、新しい発見がある。そんな会社でありたいと思っています。
新しい挑戦も常に考えています。誰もやっていない分野にチャレンジしていくのが、私たちらしさだと思います。
──最後に、これから一緒に働く仲間へメッセージをお願いします。
一緒に働いて楽しめる人に来てもらいたいですね。私たちはスタッフの個性を押さえつけることは絶対にしません。計算が得意、検索が得意、コスト調査が得意…人それぞれ得意分野があるじゃないですか。そういうものをどんどん伸ばして、会社に活かしてもらえればいいんです。
無理して苦手なことをやってもらうより、得意なことを最大限に発揮してもらう方が、本人にとっても会社にとっても絶対にいい。自分らしさを大切にしながら、一緒に面白い仕事をしていきましょう!
株式会社クロマテックの詳細はこちらから!
https://www.kulomatec.co.jp/company/