家族や会社、周囲との“つながり”を大事にしながら育児と向き合ってほしい。三井住友海上火災保険で2度の産育休を経た今、感じること

パープル

written by 大久保 崇

国内の損害事業マーケットにおいて大きなシェアを持ち、そのシェアに見合った保険商品・サービスを展開する三井住友海上火災保険株式会社。国内だけでなく、アジア領域に強い保険グループとしてグローバルな展開にも力を入れています。

損害保険は「自動車」「火災」「地震」「通院・入院」「旅行」など対象が多岐にわたり、それぞれの分野で高い専門性が求められます。こうした事業を支えているのが、同社で日々仕事に励む社員の方々です。

今回はそんな社員の皆さんをサポートする役割を担う、秘書の今村 江里(いまむら えり)さんを取材。今村さんは2児の母親であり、実際に産育休制度も活用しながら20年近く同社で活躍されています。

そんな今村さんが感じる自社らしさや社員の方々の印象、そして「働くことと育児について」のリアルな経験談などお伺いしました。

【インタビュイー】今村 江里(いまむら えり)さん

【インタビュイー】今村 江里(いまむら えり)さん

2000年に入社後、約10年近くは支援部門に所属。営業成績・好取組事例のニュース発信や全体会議・進発式等の運営、地域社員のビジネスマナー研修等の企画・運営に携わる。2011年4月~役員秘書、2015年4月~営業部長秘書を担当し現在に至る。なお、2014年度と2021年度に産育休を取得し、現在は二児の母。

一つひとつの行動に自分らしさをこめて。自らの強みを活かし周囲をサポートする秘書

――今村さんがこの会社を選ばれた理由をお聞かせください。

愛知県内の短大に通っていたこともあり、自宅から通える範囲で就職を希望していました。また、情報化社会の中、在学中に取得したパソコンスキルを活かしたい、やりがいを持って業務に就きたいとの思いで、そんな時に学校からの勧めや母からの後押しの一言もあって、面接を受けようと決めました。

入社以来、内務担当ですが、名古屋ビル内での業務は多くの方の仕事をしている姿がうかがえるので、いつも新鮮な刺激を受けます。社員の皆さんは真面目で勤勉な方が多いので、長く働いている今でも、背筋が伸びる思いで仕事をさせてもらっています。

 

――具体的にどのようなお仕事をされているのでしょうか。現在の仕事の面白みややりがいなどもあわせてお聞かせください。

現在は、秘書業務をメインで担当しており、複雑かつ多岐にわたる業務を任されています。そんな仕事なので、タスク管理・時間管理・積極的なコミュニケーションなど、周りの意図を汲み取りながら滞りなく物事が進んだときは喜びや面白みを感じます。そして周りから感謝されると、一層やりがいも感じます。

部署内の取りまとめや庶務業務も例年同じようにみえて、少しずつ分かりやすくできるように工夫しながら案内をするなど、一つひとつのことに自分らしさの思いをこめて取り組むことは大事にしています。

今は、本当に自身の強みを活かして働けることに感謝していますし、仕事を通じて自身のスキルアップができる面白さも感じています。誰かのサポートをするという仕事が、自分に合っているのでしょうね。

誰かのサポートをする際は、相手が物事を進めやすいように常に前倒しの対応を心掛けています。早く準備しておいて余裕を作り、考える時間を持っていただくなど、そういうところは仕事に限らず常日頃から大事にしている点です。

 

――仕事をする上で大事にしていることや言葉などあれば教えてください。

自分自身、成長しながら強みを活かし、ワークライフバランスの実現のためにやりがいをもって働くことです。その上で周りの期待に応えることができ、組織・会社・社会に貢献できれば嬉しく思います。

大事にしている言葉は「感謝と笑顔」です。

今は時短勤務をさせてもらっていますが、皆さんにはいつも温かく指導していただけることに感謝していますし、「ありがとう」とお互いに声を掛け合える関係がとても心地よく感じます。過去に上司から「いつも変わらない笑顔で接してくれていいね」と言っていただいたことがあり、その言葉を今も大事にしています。

 

国内大手の損害事業としての責任と自覚。大きな目標と高い専門性が求められるからこそ学び続ける社員たち

――今村さん自身が感じる貴社の「おダシ(=自分らしさ・会社らしさ)」とは何でしょうか。

まじめで勤勉な方が多いことですね。当社が求めているのは「自ら学び、自ら考え、チャレンジし成長し続ける」という方なのですが、実際にそういった方々が働いています。

また、年齢や性別に問わず、自分らしさを軸にキャリアを選べるようになってきていることもあり、多くの方が新たな業務領域へチャレンジしている姿をみると尊敬します。

当社は、人を大切にするという思いを込めて、“人財”という字を使っています。人財育成のために、各種研修が開催され、前向きに取り組まれている方が多いです。各職場では、新入社員を迎えるとブラザー・シスター(メンター・指導役)がつきますし、職場メンバーでの育成にも取り組んでいます。

あと、これも当社らしさだと思うのですが、全員参加の送別会が盛大なことにも驚きました。

今は、コロナ禍で所属部署ではここ3年ほど開催できていませんが、送別会の幹事となる課は夏ぐらいから会場探しをはじめ、出し物や送別者向けに過去の在籍者も含めてビデオメッセージで送るなど、盛大な演出に向けた準備をします。気合いの入れようがすごいです(笑)。

こうした取り組みにも現れているのが結束力の強さです。愛知県内の大手企業様を、部署全体で担当しているということもあってか、一体感や結束力はとても強いと感じます。

お客さまの期待に応えることに強い価値観を持ち、同じ方向を向いているからこそ必死に取り組み、仕事にも全力、楽しむことにも全力、ものすごいエネルギーを持った方々が多いと思います。

そんな環境に身を置いて一緒に働けるのは本当に有難く、だからこそ全力でサポートしたくなります。

 

――貴社の商品(=保険)の魅力や強みはどういったところにあるのでしょうか。

損害保険は、交通事故・自然災害など暮らしの中のリスクに応える保険や企業活動を取り巻くビジネスのリスクに応える保険など幅広い種類の保険があります。その一つには「月保険」といって月面ビジネスで発生するリスクを補償する保険もあります。


「保険には、未来を変えるチカラがある」と当社は、新たな可能性に向けた取り組みをそれぞれの部署で、また部署や地域を超えたチームで専門性を持って取り組みを進めていることが最大の強みです。


そんな中、一人ひとりの挑戦や役割が非常に大切だと日々感じます。

 

――社員皆さんが勤勉なのも、専門性の高い商品を扱っておられるからなのかと思いました。そこにちなんでなのですが、貴社には“育てる責任・学ぶ責任”という会社の理念があります。育てる責任というのはイメージしやすいのですが、後者の学ぶ責任について、皆さんが実際どんな“学び”をされているのかお聞かせてください。

学び直しとして社会人になってから大学に行かれる方もいますし、組織の枠を超えた勉強会や異業種交流会に参加される方、自己研鑽で資格を取得される方と様々なかたちでいます。


当社では個の成長が組織の成長につながることがよく言われていて、社員一人ひとりの「失敗を恐れないチャレンジ」を後押しする人事施策があります。キャリアデザイン研修や形成支援なども含め社内外のネットワークを広げていくことが奨励されています。


これも、上司との面談時に新たなことへのチャレンジ目標を設定し、日頃から意識する体制があるので社員は自ら学び成長につなげていくことを大事にしていると思います。


また、業務において法律が改正されたら新たな知識が必要になるので、自らが興味をもってアップデートしていく意欲や意識は、仕事を通じて必要に迫られます。

 

――面談は実際どのくらい実施されるのでしょうか。

年初・中間・年度末の年3回です。さらにこの3回とは別に、1on1ミーティングを通して目標への意識づけ強化やタイムリーな目標の見直しを実施されているところもあります。


年初は、組織目標・業務分担、職場での役割や上司から示された「期待」を踏まえて、自ら考える内容を設定します。日頃は忙しいので、改まってじっくり話をする機会が持てることで今後のキャリアを考えるきっかけになったり、前向きな意識につながったりしています。

 

――そんな貴社ではどのような人が活躍されているのでしょうか。

「自分だったらどうするのか」「会社として何ができるのか」を考え、会社を変革していく力をもった方が活躍しています。

昨今、世の中が激しい変革にさらされている中で、世の中のことも他人事ではなく自分事として考えられる方です。


当社での新卒採用においては、あらゆることに当事者意識をもって考え、行動ができる人材を求めているとのことで、新たな仲間を迎え、クリエイティブに楽しく仕事ができたらと思います。

 

今村さんの育児の楽しミカタ。子どもの成長する姿に幸せを感じる

――ここからは「育児のミカタ」にちなんだことをお伺いできればと思います。まず今村さんの現在の家族構成について伺ってもいいでしょうか。

義父母、夫、小学2年生と1歳6ヶ月の娘、二世帯住宅なのでありがたいことに常にサポートしてもらえる環境にあります。いつも喜んで孫とのふれあいを楽しんでくれる両親に本当に感謝です。

集中して料理を作る時間が欲しいときなど、火の元に子どもが来るのは危ないので、遊んでくれますし、買い物に出かけたいときも見ていてくれるので助かります。

また、夫とは遅番や不定休など勤務体系が異なるので育児をしていくには常にお互いの協力が必要でした。家事分担はもちろんのこと、園や学校行事の参加もどっちが行くと決めるのではなく、状況に応じて行ける方が参加するようにしています。

夫は常に協力体制でいてくれています。日常的な家事分担は、朝は洗濯するかご飯を作るかを分担し、ごみ出しは夫、掃除は私の担当。夫が平日休みの時には、買い物にも行ってくれています。

 

――協力してくれる人が多いと心強いですね。今村さんにとっての育児の「楽しミカタ」を教えてください。

家族でお出かけすることはもちろんのこと、テレビを見ながら食事をしているときも楽しいひとときです。

クイズ番組やバラエティ、アニメなどを一緒に見て、感想を言い合うのが楽しいですね。夫が休日も仕事で不在のときは、娘たちと自転車でお出かけすることも楽しみの一つです。

平日は、夕方から寝てくれるまでの時間はいつもバタバタしています。すぐに寝てくれない時も多々あるので、あきらめて眠たくなるまでとことん付き合います。

また、寝る前の絵本の時間を作るようにしていて、絵本の世界を楽しんだり、歌を歌ってあげたり、姉妹それぞれ興味をもつ反応が違うのも面白いです。

 

――お子様が大きくなってこられると、家族団らんの楽しみが増えますね。初めての育児が始まったときは苦労されることも多かったのではないでしょうか。

第一子の時は全てが初めてのなか、授乳のリズムが掴めず、母乳の出がイマイチなこともあり、ミルクとの混合授乳をするのに、ミルクの作る量や飲ませるタイミングなど、3~4ヶ月ぐらいまでは本当に大変でした。体力的にも精神的にも、とても疲れてしまったことを覚えています。

当時は身の回りに仕事ができるツールが無かったこともあり、仕事のことはあまり考えないようにしていました。そのこともあってか、育児のことばかりに考えるようになってしまったので、育児で悩んでしまうと気分転換も上手くできず、体力的にも精神的にも大変だったのかもしれません。

ただ私だけでなく、初産の方にとっては様々な不安を抱えながら出産に臨まれると思います。

最近は特に、病院がコロナ対応で入出が制限されていたり、事前レクチャーも縮小されていたりしていることもあって、私も第二子の出産ですら初産と同様の不安を感じた程です。初めての育児に限らず不安を感じることも多くなったように感じます。

ただどれだけ大変なことがあっても、我が子のすやすやと寝ている姿は愛おしく、月齢とともに表情が豊かになり、動きが活発になって成長が感じられると幸せです。第二子のときは、年が離れているので長女が育児を一緒に手伝ってくれたり、一緒になって遊んでくれたり、娘二人の様子を見ていると笑えてくることもたくさんあります。

これから二人が、色んな経験をして成長するのが本当に楽しみです。

 

大事なのは繋がり。育児を一人で抱え込まず、自分の心も大切にしてほしい

――貴社の産育休の制度・仕組みや社内の体制についてもお聞かせいただけないでしょうか。

当社には産育休、時短勤務、在宅勤務、時間休、フレックス勤務、シフト勤務、出勤方法の選択など生活スタイルに合わせて活用できる様々な制度があります。実際に妊婦中の妊婦健診は勤務時間内通院ができたので、安定期に入る前や産休に入る直前などは大変有難かったです。

また第二子の時はオフィスイノベーションも進んで在宅勤務も活用できたので、妊娠中は無理なく過ごすことができました。

 

――様々な勤務形態が選べると復帰してからも働きやすそうですね。

子どもの予定や体調を見ながら在宅勤務&シフト勤務をしたり、時間休も取ったりできますし、復帰後は時短勤務があるおかげで子どもを少しでも早く迎えにいくことができますので、本当にあって良かったです。


とはいえ、時短勤務をしていても仕事が終わらず残業してしまうことも多々あります。「どうしてもここまで片付けておきたい」「ここまでは進めておきたい」といった責任感は、私だけでなく多くの人が持っている気持ちかと思います。

 

――そのような状況を改善しようと思うと、どのような対策ができるでしょうか。現場の意見として何かあればお伺いしたいです。

まずは上司をはじめ職場の理解が必要かと思います。ただ、そればかりではなく、今回、復帰後の研修で学んだのですが、自らが周囲に理解を求める行動を起こしていたかという気づきがありました。


お互いにコミュケーションをとり、認め合い、働きやすい環境づくりが大事かと思います。


当社は、スマートワークの取組でビジネスチャット活用を進めています。19時以降・休日のメール等は発信しないことなど、コミュニケーションや時間等の使い方にスピード感をもつことで効率的な働き方ができていいと思います。

 

――確かにそういった観点からも業務の効率化は大切ですね。

リモートワークが社会的に浸透してきたいま、ペーパーレス化はもちろんのこと、どこからでもアクセスできる環境は重要だと感じます。

今は社内メールも予定表もスマホで確認できますので、通勤途中の短時間を活用して確認することで、会社に着いたあとの業務の取り掛かりが早いです。

会議もWeb会議が進み今までは遠方へ出張して会議に参加することが当たり前だったものが、自席で参加できることは移動時間の短縮につながり、大変有効だと感じます。

 

――今村さんは2014年度と2021年度に産育休を取得されているとのことですが、1回目と2回目で何か違いを感じることはありましたか。

オンラインを活用して会社の情報をキャッチアップできたかどうかですね。2014年は会社の利用制度としてはあったのですが、自宅とのオンライン環境が整わなかったので使用できず、復帰後に時間がかかりました。
2回目となる2021年は社内ネットワークに自宅からアクセスできるように事前申請したことや、様々なコミュニケーションツールを活用して自己学習も進み、「復帰者とのオンライン交流会」などにも参加できたことは会社とのつながりを感じれて安心できました。また復帰後も早く感覚を取り戻せたと実感しています。
各ツールを活用して、情報共有できることは、以前より会社とのつながりを感じられます。やはりこうした“つながり”というのは大事なので、仕組みが整って活用が進むことが望ましいです。

 

――これから出産や産育休される方に対して何かメッセージがあればお願いします。

まず育児は「あまり一人で抱え込まないで」と伝えたいです。

出産後しばらくは、疲れることもあるかもしれません。たとえ強く吐き出さなくてもいいので、小さなことでも吐き出したほうが、自然体でうまく進めていけると思います。周りの協力やサポートを得ながら子育てしてほしいですね。

そして子どもの成長は想像以上に幸せな気持ちを抱かせてくれます。

少しずつ表情が出てきたり、動くようになったり、しゃべるようになったり、どんな声を発しているのかだったり……。自分の子どもの成長する姿を楽しみながら、育児と向き合っていただけたらと思います。

 

三井住友海上火災保険について

・ホームページ:https://www.ms-ins.com/

・採用情報:https://www.ms-ins.com/recruit/

 

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