多くの人の役に立つ「作品」を設計する。西谷技術コンサルタントで感じる成長

イエロー

written by ダシマス編集部

西谷技術コンサルタント株式会社

道路、橋梁、河川——私たちの生活を支える土木インフラ。その裏側で、人々の安全を守るための設計に携わっているのが建設コンサルタントです。西谷技術コンサルタント株式会社で護岸・堤防などの設計を手がける小杉さんは、入社9年目。技術と人の温かさが共存する職場で成長を続ける小杉さんに、仕事の醍醐味や働く環境について伺いました。

小杉 翔(こすぎ しょう)さん

小杉 翔(こすぎ しょう)さん

西谷技術コンサルタント株式会社 入社9年目。大学では建築を専攻していたが、より多くの人々のためのものづくりを志し、建設コンサルタントの道へ。現在は河川・砂防分野で防災インフラの設計を担当している。

地域の「安心」を担う仕事

——では、小杉さんのお仕事について教えてください。

業種でいうと「建設コンサルタント」の仕事をしています。建設コンサルタント業務において、道路や橋梁といったインフラ整備に関わる内容は多岐にわたります。具体的には、地形や構造物の測量、地盤の状態を確認するボーリング調査、これらのデータをもとに行う設計、さらに施工後の施設の点検・修繕などです。私が担当しているのは、その中でも設計部分です。弊社では設計部門が「道路」「橋梁」「河川・砂防」3つに分かれており、私は河川・砂防の部署に所属し、砂防堰堤などの設計を担当しています。砂防堰堤といってもあまり馴染みがないかもしれませんが、豪雨による土石流を受け止め、土石流による被害を食い止める構造物です。いわゆる防災インフラと呼ばれる、災害時にも人が安全に被害なく生活できるための構造物を設計する仕事です。

——私たちが平穏無事に生活するために欠かせない仕事なんですね。

そうですね。土石流が発生する危険のあるところでも、構造物が一つあるだけで地域の方に安心・安全を感じてもらえる。川の水位が上がっていっても「大丈夫だろう」と思ってもらえるようなものを作る。災害時の対応を行うこともあるんです。特に人命に直結しますし、多くの人の役に立てている実感に繋がっています。

——仕事をする上で大切なのはどんなことですか?

発注者や地元に求められていることに対して最適な提案を行い、いかに納得してもらうかです。地域の方々に安心していただけるかどうか。これがなかなか難しいのですが、重要なことだと思っています。どういう計画なのか、自分たちの土地がどれだけ影響を受けるのか、説明会を開いてお話することもあります。最近では3Dの地形や計画モデルをぐるぐる回して、いろんな角度からお見せして理解しやすい説明をする工夫をしています。

——プロとしての腕の見せどころはどんな場面ですか?

設計業務では、まず基準書に沿って計画を立てますが、すべてが想定通りに進むわけではありません。基準書に記載されていないケースが起こることも多く、その際は安全性や公益を確保するために慎重な検討が必要です。重要なのは、「この計画なら安全で順調に施工できる、安心して生活できる」と発注者や地元住民が理解し安心できる設計を行うことです。

仕事は一人でやるものではない

——責任ある仕事を担う中で、最も困難だった経験や、そこから学んだことはありますか?

具体的に「これ」というのを絞るのは難しいんですが……たくさんあります。

そういうときに強く感じるのは、仕事は一人でやるものではないということ。例えば、難しいプロジェクトでは、何人かで社内会議を開いて方針を決めます。自分では「これしかない」と思っていても、全く逆の意見が上がり、他の人もそれに賛同するということがあるんです。

一つの目線にとらわれることで失敗した経験が何度かある中で、「何事も早く相談しておこう」と学びましたね。

——これまでの歩みにおける転機はありますか?

入社当初は道路設計の部署にいたのですが、今の河川・砂防の部署に異動してきて、初めて主担当として任された業務が大きなターニングポイントでした。

それまでは上司の指示通りの設計をすることが大事で、人の仕事を手伝っている感覚だったんです。でもその時がターニングポイントとなり、自分で考えて「これが最適だ」というところを追求しています。多くの人の役に立つ仕事をするには、まず自分がこう考えてこういう根拠があるから提案しているんだ、ということに納得していないといけない。

もちろん自分の考えが正解ではないですが、社内会議の中で方向を修正してもらいながら、自分の「作品」ができる。そういった時に成長できていると感じます。

——「作品」という言葉が素敵ですね。

ちょっと格好つけすぎたかもしれません(笑)。でも、本当にそれくらいの思いでやっているということですね。

実際、自分がパソコンや紙で設計していたものが、100倍くらいの規模で現場に出来上がるんですよ。自分が設計したものが形になる感覚は、本当にやりがいがあります。

 

社員の声で変化する環境

——入社した頃と比べて、会社はどのように変化しましたか?

大きく変わったのは、ビジネスチャットやリモート会議の導入ですね。発注者や支社とのやり取りが格段にスムーズになりました。

また、社内のコミュニケーションも密になりましたね。もともと設計部はパソコンに向かって図面を描く作業が多いので、以前は和気あいあいとした会話も少なかったです。他の部署から「設計部は暗い」なんて言われたりもして(笑)。

それで最近、オフィスでBGMを流し始めたんです。これが意外と良くて、雑談や会話のきっかけになるんですよね。最初は設計部だけだったんですが、「それいいな」と他の部署でも始めたりして。

最近では設計部全員で「コミュニケーションゲーム」をやりました。ボードゲームを何種類か用意して、何チームかに分かれてプレイするんです。会話が必要なゲームとか、お互いの価値観を合わせるようなゲームを通して、「この人、こういう人だったんだ!」と気づき、仲良くなるきっかけになっています。

——いろんな側面で、どんどん声を発しやすい環境ができているようですね。

そうですね。月に1回、労使委員会という会議もあって、各部署の代表が社員からの意見を集めて、社長や役員と話し合うんです。例えば、給与のベースアップや、1時間単位の有給休暇制度、入社後すぐから有給休暇を付与する制度などが、社員からの意見を反映して実現しました。

——休日はどのように過ごされていますか?

一人でいるより、誰かと一緒に過ごすのが好きです。友達や奥さんの影響で旅行にもよく行きます。今年は万博にも行きましたし、岐阜の白川郷や能登にも行きました。バーベキューや焚き火をしたり、最近は焙煎網を使ってコーヒーの生豆を焙煎したり。冬はスノーボードもします。

——フレキシブルに休みが取りやすい環境なんですね。

そうですね。有給休暇も取りやすいですし、プライベートを大切にしながら働ける環境だと思います。

「失敗してもいいんだ」という気持ちで進んでほしい

——ご自身の経験も踏まえ、後輩や若手社員に接する際に心がけていることはありますか?

「言語化」を意識することですかね。自分が言葉足らずだなと思うことが多くて、もっと言語化できるようになりたいと思っているんです。「それ」「あれ」といった指示語を使わず、しっかり文章として伝えた方が、相手も納得しやすい。

とはいえ、全部を全部、説明したり手を差し伸べたりしすぎないようにしたいと思っています。私自身、1から100まで全部教えてもらうのではなく、自分で考えてやってみたから学べたことが多いので。

——これから入社を考えている方へ、メッセージをお願いします。

ありきたりかもしれませんが、失敗を恐れずに進んでほしいです。

正直、自分もたくさん失敗してきましたし、今もそうです。でもその度に上司や先輩に支えてもらい、助けてもらいました。「失敗してもいいんだ」という気持ちで進んでほしいなと思います。

逆に、私は「助けてもらえるんだ」と感じてもらえるような環境作りや信頼関係を築いていきたいと思っています。

(取材・執筆:田野百萌佳)

西谷技術コンサルタント株式会社の詳細・採用情報

◆HP:https://www.nishi-tc.co.jp/

◆採用情報:https://www.nishi-tc.co.jp/recruit/

 

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