テレワークにペーパーレス。コピー屋、半分だけ卒業しました。

レッド

written by 斉藤彩

1980年、福島県福島市にて設立された東北コピー販売株式会社様(以下敬称略)。
元々はコピー機などリコー製品の販売を中心に行っていた同社ですが、2022年1月現在、ホームページには【お客様のDX推進に全力で取り組みます】の文字が。

オリンピックを目指して戦ってきた2代目のアスリート社長に、社名からは想像できない「東北コピーの今」と「これから」を取材しました!

高橋 剛(たかはし ごう)様

高橋 剛(たかはし ごう)様

東北コピー販売株式会社の2代目代表取締役社長。
福島県出身。2005年に入社し、2015年より代表を務める。
幼少期に空手を始めるも「オリンピックに出たい!」と当時韓国の国技になったばかりのテコンドーに方向転換。
26歳まで現役の日本代表選手として活躍する。

 

『東北コピー販売』此処はコピー屋にしてコピー屋にあらず

 

ーーー率直な疑問なんですが「東北コピー販売」は何をやっている会社さんですか?

元々は私の父が創業した会社で、主にコピー会社の『リコー』製品の販売やサポート会社でした。
ですが社長になるときに「ただのコピー屋さんではなく、すごいコピー屋さんになる」って最初に目標を立てたんです。

就任当時はコロナなんてもちろん予測していませんでしたが、IT系はどんどん伸びるだろうなと思っていたので、複合機、コピー機のビジネスはずっと継続していきながらも、新しくIT系・システム系を伸ばしいこうと。

今ではお客様に伴走してお客様先のIT化を進める、いわばコンサルのようなこともしていますが、最初は社内のIT化が一切進んでいなかったので、まずは自社の業務改善から始めました。

 

ーーーコピー機以外のサービスを扱おうと決めたとき、社員の皆さんにはどう浸透させたんですか?

うちは実験台だ、というのは最初に伝えましたし、今でもそう思っています

「このシステムを導入するときに起こりうる問題はなんだろう」とか「この作業をクラウド化すると何が変化するだろう」っていうのを、どんどんどんどんトライアンドエラーし続けて、お客様に自信を持って紹介できるサービスを増やしてきました。

 

ーーー今までのお仕事と比べると結構ギャップがあると思うのですが、社員さんからの反発はなかったですか?

もちろんありましたよ。何人かは抜けましたし…。
今続けてくれている方の中にも「何でコピー会社なのに、コピーもやりながらコピー以外のこともやらなくちゃいけないんだ」とか「自分たちって本当は何屋さんなんだろう」という風に悩んだものもいたと思います。

でも「何屋さんとかではなくて、お客様の役に立つことなら何でもできる会社にしようよ」と。これを理解してもらえるように、まずは自分たちの業務をクラウド化して「自分たちがお客様に目指してもらいたいのはこういう会社なんだ」というのを体現してきました。

▲空手世界選手権出場時の高橋代表

 

摩訶不思議なコピー機ビジネス。業界が辿る未来とは

▲サイボウズ青野社長とのツーショット

 

ーーー高橋さんから見て、今の東北コピー販売さんの仕事の面白味はどんなところだと思いますか?

よく面接に来た方には伝えるんですが、うちはずっとお客様にモノを売ることをやり続けてきた会社なので、営業の中でも製造業に近いと思っているんですよ。

『お客様をつくることができる仕事』だと思っていて。

もう少し詳しくお話すると、取り扱える商品は恐らく1万以上はあるんですね。逆に取り扱えない商品はほとんどないんじゃないかな、というくらい。だから決まった商品だけを売るっていうことは基本的にしないんです。お客様のニーズに合った商品を選んで、さらにベストマッチするよう作り込んでいく、そんな営業スタイルになります。

製造業っぽい営業なんだけど、決まった製造ラインはないので、お客様と自分たちで話し合って、イマジネーションを膨らませて、「こういう風になればいいよね」を形にしていく。そんな風に創造力を使う場面が非常に楽しいし、そこに面白味を感じられる仕事なのかなと思います。

 

ーーーコンサルも行うようになった今、コピー機だけを売ってきた時代と比べて仕事に対する考え方に変化はありましたか?

『お客様のために何ができるか』

今までもこれからもそれだけを考えてやっているので、ある意味シンプルで悩むことは少ないんですが、『お客様のために』という言葉の意味合いはちょっと変わってきたかもしれません。

出社する人がいないとコピー機って使わないんですよね。だからコロナでテレワークが進んでいくと、私たちのビジネスは全く成り立たないんですよ。
でもそれをよくよく考えていくと、コピー機を使わない業務をするのが一番お客様のためになるんじゃないかと。

昔は「コピー機使ってください」とか「ホチキス留めができます」っていう話をしてたんですが、そもそももうホチキス留めをする業務は無くすことを考えるほうが自然ですよね。
お客様のためにコピー機を売ってたけど、これからはお客様のためにコピー機がなくてもいい環境を作る。この変化は大きかったと思います。

 

ーーーお客様のためになっている、という面ではどちらも貢献度の高いお仕事だと思うんですが、コンサル業を始めて良かったことはありますか?

コピー機だけ販売していると、お恥ずかしながらお客様何を印刷してるかって分かんないんですよ。何枚印刷しているかしか分からないので、ある意味お客様のことを何も知らない状態なんですよね。だからどうやったらお客様の役に立てるんだろうと考えること自体が非常に難しくて。

じゃあお客様が求めてることって何だろうと言ったら「経費を抑えたい」という話になるんですよね。だからといって簡単に金額を下げて販売するのは違うじゃないですか。

だから、企業の代表なら当たり前に考える『コストを削減して何に充てるのか』というところでお客様の成長に繋がる提案をすること。これが私たちのできる『お客様のために』だと思ったんです。

 

ーーーなるほど!大きな変化ですね。具体的にどんな提案をされているんですか?

例えばですよ、コピー代がかからなくなって生まれた経費を使ってkintoneを入れてもらえれば、今までと同じ経費で業務改善ができますよ、そしてまた業務改善をして生まれた時間を別の業務に充てられますよ、と。こんなイメージですかね。
※kintoneとは(https://kintone.cybozu.co.jp/

 

ーーー業界全体でコロナの影響はないのでしょうか?

福島始め地方はあまりテレワークが進んでないので割と関係ないんですが、首都圏は大ダメージですね。他県のメンバーと喋ると、やっぱり直撃してる地域もあるみたいです。

まだまだ地方はペーパーレス化の取り組みは遅れてるんじゃないかなって思っています。というのも、ペーパーレス推進のために施行されたマイナンバーの保管に誓約書が必要で、逆にペーパーが増える、みたいな摩訶不思議なこともあって…。笑

ただ都会の方では、二十数年前から言われ続けてきたペーパーレスという言葉がどんどん現実味を帯びてきていますよね。

 

ーーー「ただのコピー機屋さんを脱する」という高橋さんの決断はタイミング的にも良かったのかもしれませんね。

そうですね。ただ「コンサルで大半の売上を占めてます!」っていうところまで行き着いたらかっこいい話なんですが、まだまだ主軸がコピー機であることは間違いないんですよね。

まだまだどっちかを捨ててどっちかをやるという状況ではないので、苦労はしつつも両輪を回しながら、お客様と、一緒に良い方向に進んでいきたいと思っています。

 

「挑戦し続ける」これを口だけにしない会社でありたい

 

ーーー営業はどんな感じですか?

新卒、もちろん中途もいますよ。
うちの会社って、平均年齢が34とか5なんですよ。うちの会長を除くと50代がいない会社で。非常に若いチームなので柔軟性はありますし、フットワークが軽い会社ではあると思います。

若いメンバーで、自社の業務改善も実行してます。実はメディアでもいろいろ取り上げられてるんですよ。「東北コピー 導入事例」で検索してください!

 

ーーー社風を一言で表すとどんな言葉になりますか?

昔から『やると言ったことはとにかくやる』のがうちの文化ですね。決めたことに対して突き進む勢いだったり、スピード感はめちゃめちゃあると思います。

そういうメンバーが多いので、私が社長になる前には「本当に何時までやるんだ」みたいな時期もありましたけど、お客様の業務改善をサポートしてる身なので、自分たちの業務もしっかり改善されてきてるんですよ。だから全体の業務時間は減らしながらも、同質の結果を発揮できるようにはなってきてますね。

 

ーーーこれから仲間になる方に求めたいことはありますか?

言葉にするのが難しいんですが、面白い人と一緒に仕事をしたいな。自分の考え方をちゃんと持ってる、とか、周りに流されない意地だったり自己の強さがある人がいいですね。

意地を張ると言うとちょっと聞こえは悪くなっちゃうけど、そのぐらい自己主張ができる人と仕事がしたいなと思います。
 

楽しく働いて、関わる人をハッピーに。結局これに尽きません?

ーーーここまで色々伺ってきましたが、高橋さんにとって「働く」とは?

働く意味とか意義って、一人一人違うと思うしそれでいいと思うんですが、私が考えているのは『楽(らく)に楽(たの)しく働こう』ということ。楽(らく)も楽(たのしい)も同じ漢字じゃないですか。

だから私たちは業務改善を続けて自分たちを楽にして、楽になった分で、いろんなことを考えて、みんなで楽しい仕事をしよう、っていう話をずっとしてるんです。自分たちが楽しくなかったら、お客さんも楽しくないだろうし、楽しくなかったら仕事って何のためにするんだろうね?って。

もう一つ、『関わるみんなをハッピーに』。この二つは必ず発信し続けるようにしています。「そうは言うけど実際は全然違うじゃん」って思わせないように、暗い顔をしたりネガティブなことを言うのではなくて、まずは自分が仕事を楽しむこと。やっぱりそれが周りにも響きますからね。

その波がどんどん広がって、社員の家族から「楽しそうで顔が明るいです」とか「転職してから楽しそうです」なんて声が聞こえてきたら嬉しいですよね。

 

ーーー最後に、これからの東北コピー販売をどんな会社にしていきたいですか?

みんなが楽しく仕事をできる会社っていうのは前提として、やっぱり地域ナンバーワンの会社になりたいなと思います。そのためにもお客様に選ばれる会社でありたいな。そのために新しい営業を創造していきます。

「この会社じゃなきゃ駄目!」と思っていただくのを着地にしたいなと。私たちも「とにかく一緒に走りまっせ!」っていう会社でいたいですね。

今は一歩先を行くことが本当に正解なのかも分からない時代じゃないですか。だからお客様もおっかなびっくりでなかなか先に進めないときがあると思うんです。そんなときに「私たちが一緒に足を踏み出します」と言える会社、お客様にその一歩の勇気を与えられる会社になりたいなと。そんな思いでやってます。

 

ーーー高橋さん、今日は聞いているだけで熱くなるお話をありがとうございました!

 

会社情報

社名:東北コピー販売株式会社
所在地:〒960-8252 福島市御山一本松13-5
HP

 

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