「“好き”を育てる会社へ」──八下田陸運の取締役が語る、物流60年企業のアップデート

パープル

written by 紺野 天地

株式会社八下田陸運

自動車部品や建築資材、食品など、企業のものづくりや販売活動に欠かせない荷物を運び続けて60年。株式会社八下田陸運(やげたりくうん)は、宇都宮市に本社を構え、地域の経済活動を物流で支えてきた運送会社です。

長年培われた文化を守りながら、今、少しずつ「変化」にも取り組んでいる同社。
インタビューに応じてくれたのは、現場の声を大切にしながら組織のこれからを考える、取締役の藤井康正(ふじい・やすまさ)さんです。「この土地で、安心して働いてもらえるように」──そう語る藤井さんに、働く人を主役にした会社づくりの考えや、仕事のやりがいについて伺いました。

藤井康正(ふじい・やすまさ)さん

藤井康正(ふじい・やすまさ)さん

取締役 事業統括部長 兼 経営管理部長 藤井康正
勤続5年
広島県福山市出身。大学卒業後、大手運送会社で物流の現場を経験。地元の運送会社に転職し、30歳で宇都宮営業所を立ち上げる。その後、八下田陸運の社長から声をかけられ38歳で転職。営業課長代理からスタートし、2025年6月より現職。会社の文化や働く環境づくりに取り組み、「社員が会社を“好き”になれること」を大切にしている。

「変わる余地がある」と感じた入社当初

――八下田陸運に入社されるまでの経緯を教えてください。

前職も運送業で、全国に営業所のある会社でした。宇都宮に来たのもその頃で、30歳のときに広島から単身で営業所立ち上げを任されたのが転機です。

その後、38歳のときに現社長から声をかけてもらいました。実はタイミングが合わず、一度話が流れてしまったのですが……(笑)。しかし退職が決まり、再び連絡をいただいて2020年に入社しました。

 

――入社当時、会社に対してどのような印象を持ちましたか?

正直に言うと、いわゆる「昔ながらの会社」という印象が強かったです。例えば、決まった時間になると女性がみんなにお茶を出す、といった慣習がまだ残っていました。

時代にそぐわない部分があるなと感じる一方で、会社としては社員同士の仲が良く、事業面ではしっかりとした基盤があって、お客様との関係も深い。「これは、きっとまだ良くできるな」と思いました。

 

――その思いから、どんなことを意識して動かれたのですか?

まずは、自分の言葉に耳を傾けてもらえるようになることが大切だと思いました。そのためには、やはり成果を出すことが一番の近道だと考えたんです。

営業として少しずつ実績を積み重ねていく中で、「こうした方がもっと効率がいいのでは」「こういう職場の方が働きやすいんじゃないか」といった提案を、タイミングを見て伝えるようにしていきました。

この5年間で、組織の文化は大きく変わったと感じています。もちろんまだ途中ですが、皆で話し合いながら、少しずつ変化してきたという実感はありますね。

 

「お客様とドライバー」──創業60年を支えてきた、シンプルな答え

――創業60年という長い歴史を支えてきた、会社の強みは何だとお考えですか?

一番の強みは、「お客様」と「ドライバー」。もう、これに尽きると思っています。

良いドライバーがいて、そこに信頼を寄せてくださるお客様がいる。その関係性の積み重ねが、会社の60年を支えてきたのではないでしょうか。

「宇都宮の運送会社といえば八下田陸運だよね」と、地元の企業様や業界関係者から言っていただく機会も増えてきました。そうやって名前を知ってもらえることは、新しいご縁やつながりを生み出してくれていると感じます。

 

――地域に密着しているからこその、仕事の面白さはありますか?

はい。取引先の多くは、宇都宮や栃木県内に本社を構える企業様です。業務の中心は、そうした既存の企業へのルート配送になります。

だからこそ、お客様との関係も自然と深くなりやすいんです。ドライバーがお客様と仲良くなって、プライベートで一緒に釣りに行く、なんて話も聞いたことがあります。

もちろん一番のやりがいは、必要なものを運び、お客様から直接「ありがとう」と感謝される瞬間です。誰かの役に立っているという実感は、仕事の大きなモチベーションになります。

 

――仕事において、会社が一番大切にしている価値観は何でしょうか。

「栃木で、安心して働ける環境を提供すること」です。これは、私自身の原体験から来ている部分でもあります。

私は広島の出身ですが、今は宇都宮に根を下ろして生活しています。そういった身として感じるのは、地元で働けるって、実はすごく尊いことなんじゃないかということです。通勤時間が短くて済む、家族との時間が持てる、地域に顔が利く。そんな日常の「あたりまえ」を、働きながらちゃんと守れる会社でありたいと思っています。

ここで長く働きたいと思う人が、安心して自分の人生を預けられるような会社でありたい。そんな思いが、私のすべての行動の根っこにあります。

 

「好き」が育つから、未経験でも成長できる「会社が好き」だから成長できる

――どのような方と一緒に働きたいと考えていますか?

自分で「考え抜く」力を持っている方ですね。特にドライバーという仕事は、言われたからやるのではなく、「どうすれば安全か」を自ら考えて行動することが求められます。とはいえ、その前提として、まずは「言われたことをきちんとやり切る」という基本が大切だとも感じています。

そしてもう一つ、最近強く思うようになったのが、「会社を好きになってくれる人」に来ていただきたい、ということです。「この会社をもっとよくしたい」と思ってくれる人が増えるほど、会社は自然と前に進んでいくと思います。だからこそ私たちも、社員から自然と好かれる会社になれるよう、努力を続けていきます。

 

――未経験からでも挑戦できるのでしょうか?

もちろんです。実際に、未経験で入社して活躍している方もたくさんいます。

当社は、一人ひとりが安心して成長できるよう、独り立ちまでじっくり時間をかけてサポートしています。人によっては2か月、3か月をかけることもありますが、そのぶん自信を持って現場に出られる状態まで丁寧に伴走します。

 

――教育体制で工夫している点はありますか?

入社時には適性診断を行い、性格や特性に合った指導をするよう心がけています。

月に1回のeラーニング研修も取り入れていて、「動画で見られるから分かりやすい」と評判です。焦らず自分のペースで成長できる環境なので、安心して飛び込んできてほしいですね。

 

ドライバーの価値が高まる時代へ向け、社員とともに

――今後、ドライバーという仕事の価値はどのように変化していくとお考えですか?

自動運転などが進化しても、ドライバーという仕事がすぐになくなることはありません。むしろ、少子化などの影響で担い手が減っていく中で、一人ひとりの価値はこれまで以上に高まっていくと考えています。

だからこそ、当社では「ドライバーの社会的地位を上げていこう」という想いを持って取り組んでいます。そのために必要なのは、運転技術以上に、お客様とのやりとりを大切にできる「コミュニケーションスキル」です。ドライバーは、お客様と直接顔を合わせる、会社の「顔」ですから。今後はそうしたスキルを学べる社内研修も整えていく予定です。

 

――社内の皆さんに一言お願いします。

八下田陸運は、60年の歴史がある会社です。その土台の上で、今の変化する時代を見据えて、会社はどんどん変わっていきます。皆で意見を出し合いながら、もっと生き生きと働ける会社を一緒に作っていきましょう。

 

――最後に、求職者の方に向けてメッセージをお願いします。

「地元・栃木が好きだ」「宇都宮で安心して長く働きたい」。そんな思いを持っている方には、八下田陸運はきっと、ぴったりの環境だと思います。

まずは、職場見学からでも大丈夫です。会社の雰囲気を感じてもらって、入社後には、少しずつでも、会社のことが好きになってもらえたら嬉しいです。

そして、「こうしたらもっと良くなるかも」という声を、どんどん聞かせてほしいです。会社と人が、お互いに育ち合っていける。そんな未来を一緒に描いていけたらと思っています。

 

株式会社八下田陸運の詳細・採用情報はこちらから 

ホームページ:https://yageta.co.jp/

採用情報:https://yageta.hr-hackerplus.com/

 

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