地図に残る仕事って素敵じゃない?エクステリア事業を経営して苦難を乗り越え感じた、人や仕事への想い。

レッド

written by ダシマス編集部

坂本 哲士さん

坂本 哲士さん

年齢:55歳
出身地:福岡県八女市
趣味:ゴルフ、釣り、バイク(ハーレー)
得意:営業、コミュニケーション、行動力、熱く語ること
苦手:じっとしていること。常に動いちゃう(笑)

建築はやらないけれど、家の外回りは何でもできるしつくれる会社

ーー最初に創業したのが外構だったのはなぜですか。

前職が造園の会社だったということもあるのですが、作ったモノがずっと残る、地図に残っていく仕事に魅力を感じた部分もあります。以前関わった仕事で何もなくて山だったところが、全部造成していってそこに家を建てて、大体600個くらいの団地になったんですよ。そういう仕事をずっとしていたので、地図に載るような仕事は良いなと思いました。何よりモノをつくって、人に感謝される仕事でもあるのは大きいですね。

 

ーー何をしている会社ですか?と言われた場合、何をしている会社と伝えますか。

「建築はやらないけれど、家の外回りは何でもできるし、つくれる会社」と言いますね。

これに特化したものでいったら本当になんでもできます!今はエクステリアだけでなく、霊園事業の関係でお墓上げもやっていたり実はしています。外構・エクステリアがメインですけど、私達ができることだからそのような仕事まで広げてやっています。

地域にもこだわりはなく、福岡だけでなくグランピング施設や与論島にあるリゾート施設なども最近は監修したりしましたね。とにかくできることと面白そうなことはやります(笑)

 

ーーできることが多い中でこれはやらないと決めていることはあるのでしょうか。

できそうにないことは断ります(笑)実際、与論島のリゾートのような案件もやったことがないんですよ。でも面白そうだし、ワクワクする案件でもあったので、じゃあやってみましょう!って言ってしまいましたね。どんなに高額な案件であってもワクワクしない案件であれば断っています。

ーー仕事で大切にしていることは何ですか。

信頼関係を崩さないことです。信頼関係に基づいて契約をしているし、一回だけの仕事なんてないんです。一度モノを作ると、その後は管理であったり、次はこの工事をしてほしいとか、庭をしてほしいとか全部繋がり広がっていくような仕事で、それが何年何十年と続いていくので、信頼関係はとても大切です。

 

ーーでは、モノなどの有形物に対して大切にしていることやこだわりは何ですか。

大前提うちの職人のレベルは高いので完成品に自信があります。なので大切にしていることやこだわりと言われてもシンプルに「品質」ですね。形が決まったモノを納品するわけではないので、セメントなどの形がないものからつくっていくわけですよね。

レベルの高い職人さんというのは、温度・湿度を考慮して、どのタイミングで工事をしたら、図面通りの仕上がりになるのかを判断してモノづくりができるんです。同じ図面を渡しても、これを分かっていない職人さんと分かっている職人さんでは、仕上がりが全然違うんですよ。

うちでも全員が全員同じレベルではなくて腕にはそれぞれ差はありますが、レベルは高いと思っています。その証拠としてリピーターのお客様が多く、1年間の内2割くらいは、紹介やリピートをいただいています。

 

ーーそんな職人さんが働くことが楽しくなる時はどのような時ですか。

図面のイメージ通りに出来上がったときですね。

ですがどんなにベテランの職人さんであっても、図面どおりに出来上がることなんてめったにないんですよ。できても、あれはこうしておけばよかったと思うところは常にあるんです。好奇心とプライドを持って図面通りにきちんとつくりたい想いの強い人でないと、このお仕事に面白さを感じることは難しいかもしれないですね。

 

手探り経営で10名中7名が退職。それも必要な試練だった

ーー最も大変だったことは何ですか。

一番大変だったのは、合併した前後の時ですね。

創業して手探りでやってきて、ちょうどその綻びが出る頃というか、ちょうど10年前くらい前なのですが、会社だけど「会社」になっていなかったんだと思います。家族経営みたいな形でやっていて、それが甘かったんです。

私はその頃、営業をやっていて社長業はやっていなかったんですよ。私が走り回って、仕事を取ってきて、現場もして、そしたらいつもは見れていた範囲が見えなくなり、従業員の失敗やフォローにまで目が届かないんですよね。

どんどん土台は大きくなっても、相変わらず私は営業をやっていて、内部が見れていませんでした。みんな各々に仕事をしていて信頼関係も薄れていくので、こちらの言葉が心に響くことはなくて。そして、外部の人が入ってきたタイミングで、今も働いてくれている藤原という従業員1名を除いて全員が辞めました。10名いた社員が3名になってしまって。それでかなり会社の経営状況も傾きましたね。

 

ーーそれをどのように乗り越えたのですか。

そのような事があったお陰で信頼と管理が別だと気が付くことができたし、会社にも私たちにも必要な試練だったんだなと割り切って、社内の状況を見直し変えていきました。そこから入ってきてくれた人は、ほとんど辞めていないんです。

 

ーーこの業界やモノづくりに対して疑問に思っていることはありますか。

1つ1つ、つくっていくモノであれば、安くて良い物は建築ではありえないです。なぜかというと、基本的に全部オーダーメイドだからです。こだわりを持って、いい素材で作った建物は30年経っても軋み一つなく頑丈でいい建物が出来上がりますよね。でも安いものでこだわりなく作ったものでここでいう”いいもの”なんて一つも見たことがないんです。なのでたまに見かける「安くていいものがつくれる」っていう謳い文句には疑問に思いますね。うちは値段競争をしたら高い方かもしれませんが、いいものでいいモノをつくれるような体制をプロとして築いています。

 

ーー業界に対して解決したい、成し遂げたいことはありますか。

あります!ずっと私は言ってるんですが、「職人さんの単価を上げたい」と思っています。エクステリア業界に入って33年になって、今は福岡県エクステリア建設業協会の会長をやっているんですが、そこになぜ入ったかというと「職人さんたちの単価を上げたい」という想いがずっとあったからです。

大工さんと変わらない単価ではあるんですが、大工さんは雨や雪が降っても仕事ができるけど、左官さんだと、雨が降ったり、雨が降りそうな場合も仕事ができないんです。なので1日の日当は倍くらいもらわないと仕事内容と合わないんですよ。こういう現状を知っているからこそ、左官組合、ブロック工業会等の方とこれからの若手の育成や職人単価の向上の為の意見交換をしたいと思っております。

 

 

2代目3代目と受け継がれる会社へ

ーーブレない信念はありますか。

誰に対しても誠心誠意であること。人として誠実になっていないといけないし、誰のためにやっているかも分からず、自分の為にやるような仕事はダメだと思っています。だから問題があったときには、必ず「お客様の立場」で考え解決しています。けど、お客様の為なら何でもやってもいいというのは違うのでそういうのは難しいですけどね。

 

ーーこれからはどんな会社にしていきたいですか。

施工力に自信があるので、ホームページなどでそれを前面に出してBtoBにアピールできるようなことを続けながら、2〜3年後には年商5億円を目指したいと思っています。

私たちの同業は500社くらいあるのですが、うちはその中でも売上でいうと20〜30番目で、5億円を超えると15番目くらいには入れるようになるんです。それより上の企業って2代目3代目と長年続いている歴史ある企業が多くて。長く続いて欲しいからこその目標ですね。ここ数年でその手前のポジションを取れるようになりたいと思っています。

そして65歳になった時がちょうど創業30年の年になるのですが、その時には誰かにバトンタッチしたいなと思っています。

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