気さくな職人が集う、ザ・横須賀な土木会社。(株)花和産業の監督×職人対談
written by 田野百萌佳

一際地元愛の強い人が多いとされる神奈川県・横須賀。そんなエリアに根付き土木業を営む(株)花和産業で入社21年目のベテラン現場監督と7年目の若手職人にインタビュー。それぞれのお話から、この時代に地元のひとつの企業で働き続ける魅力が見えてきました。

現場監督職 佐々木浩二さん
高校を卒業して建設会社に4年勤務、個人事業主でドライバーを1年弱経験したのち、2004年に花和産業へ入社。鉄道系の案件、米軍基地内の案件など、花和の中では定番以外のゼロイチ的挑戦工事を軌道に載せる頼れる現場監督。家庭を大切にする1児のパパ。180センチ100キロのビッグダディ。

現場職人 山口夏希さん
先に花和産業に入社した高校の先輩の後を追い、2019年に高卒入社。元々は後輩気質だというものの、今では面倒見が良く後輩職人を取りまとめるポジションに。照れ屋で多くは語らないが、言葉の節々に先輩・後輩の役に立とうという気持ちが隠せていない若手ホープ。
先輩の背中を追い、花和産業へ入社。
ーーー入社までのご経歴と、入社のきっかけを教えてください。
佐々木:個人事業主でドライバーをやっている時の取引先が花和産業で、当時から先代の社長(現会長)が自分に目をかけてくれてたんです。でも、ある時バイクで配達中に事故に遭ってケガをしたことを機に転職を決めました。先代に連絡したらすぐ飲みに連れて行ってくれて。「来月からうちに来い」と誘ってくれて、入社を決めました。
山口:僕は中高時代から建設系の仕事に興味があって。その中でも花和産業を選んだのは、地元の企業だから。高校で1個上の仲良い先輩が働いてたのが決め手になりました。
ーーーお二人とも、お知り合いのご縁で入社したんですね。
佐々木:そうですね。入社して先代以外の社員さんとも初めて触れたんですけど、みんな気さくなおっちゃんたちで、すぐ馴染めました。
山口:自分は地元・横須賀の会社で長く働きたいという気持ちは学生の頃からありました。先輩が働いていたのでなおさら馴染みが大きかったですね。地元のどこが特別好きかと聞かれると言葉にするのは難しいんですけど、離れることは考えられない。仮に横浜の企業からスカウトされて月給が10万上がるからうちで働け」って言われたとしても、無理っすね!
「仲間って大きいな」しんどいけど、泣くほど感動する仕事
ーーーでは、仕事そのものでやりがいを感じるのはどんな時ですか?
佐々木:図面書いて計画した通りに鉄骨がスポっと入った時とかは、すっげえ感動する。それはねえ、涙が出るくらい感動します。計算通りやればできることなんでしょうけど、穴が1センチズレててボルトがはまらないことってざらにとかあるんですよ。でもバシッ!と入ってピタッ!とハマると、もうね...。
あとは難易度の高い現場を無事に納められた時。やってる最中はしんどいんですけど、その分終わった時は達成感があります。
山口:予定より早く作業が進んだ時の「ラッキー!」っていう雰囲気もいいですね。頑張れば頑張った分早く終わるので達成感があります。
ーーー働く中でご自身の成長を感じたタイミングはありますか?
佐々木:この仕事って、毎日働いててもおんなじことって起こらないんですよ。なので、3年毎くらいに「やっとここまで来たな」と思うタイミングが来る。わかりやすいところで言うと、いろんな人に手伝ってもらいながら資格を取って1つの現場を納められるようになった時とかね。個人事業主から花和産業に入社して感じたのは、「仲間がいるって大きいな」ということ。結局、一人じゃ何もできないですね。
山口:自分は今7年目になりますけど、まだまだ一人前にはなれてないですね。もちろんできる作業は増えたけど、後輩に教えることができた時が一番成長を感じます。
若い世代が長く活躍する鍵は、任せること
ーーー一緒に働く仲間との関わりが成長実感につながっているんですね。20代のメンバーも増えて、ここ5年で会社の平均年齢が20歳若返ったと聞いています。
佐々木:若い世代が増えて、任せられる仕事が増えたのが一番大きい。馬力があるから力仕事もお願いしやすい。自分は現場監督として職人に指示を出す立場なんですけど、入社当初は一緒に働く職人さんがおじいちゃんばっかりで、全然言うこと聞いてくれなかったんですよ(笑)。今では反対に何世代も下の子たちに教えるのが大変な時もあるけど、頭ごなしにならないことは心がけてます。若い子たちにも考えがあるので、やり方は相談しながら決めるように。失敗しても全然大丈夫なんで。本当に危険が伴うことはしっかり支えます。
山口:佐々木さんが若手に感情的に怒ってるとこ、見たことないですね。
佐々木:そう?山口はちゃんとやることやってて頼もしいからじゃないかな。
山口:でも本当に、年の離れた先輩たちと気を使わずに接することができてるのはありがたいです。昨年、先輩たちに「これできるようになるから、もっと評価してほしい!」って強気で出たこともあるんですけど、その時も佐々木さんにサポートしてもらいました。
自分が入社して2年くらいしてからは、一気に後輩が増えましたね。同世代が多いから、会話しやすいのがいいですね。後輩たちとは「くだらない」とかのレベルでもないような話をよくしてますね。憎めないやつばっかです(笑)。意識してるわけじゃないですけど、自然と後輩の手本にならなきゃって思うようになりました。
ーーー日給制から月給制に、週休1日から土日祝日休み(年間休日122日)になるなど、早い時期から働き方も積極的に変化させて来たことも、会社の若返りに影響しているのでしょうね。
佐々木:もう5年以上前になりますが、休みが週1日だと体力が復活する間もなかったんです。でも2日間休めるようになってからは「出かけよう」っていう気も起きるようになりましたよね。小学3年生の子供がいるので、一日は家族と過ごして、もう一日は趣味の釣りに行ったりしてます。
山口:自分も遊びの時間が増えましたね。ベイスターズファンなので、土日は横浜スタジアムにデイゲームを観に行けるのが最高です。あとは最近結婚したので、家族を養っていくという意味でもちゃんと月給で働いた分稼げるのはありがたいです。
働く原動力があれば、年齢も経験も関係なく成長できる
ーーーおめでたい!プライベートの時間も充実するからこそ、仕事にも精が出せますよね。今後、花和産業で働く上での目標はありますか?
佐々木:自分は定年まであと20年くらい。身体が持つように、まずは健康管理ですね。自分のようなおじさんの仕事をどんどん取っていってもらえるように若手を育てないと。
山口:本当にそうですね。目標っていうと大袈裟ですけど「任せてもらった仕事をちゃんとやる」っていうのが第一。そのために、できないことをなくすこと。何でもできるようになりたいっすね!今、施工管理技士の資格も取ろうとしてるんですけど、勉強が苦手なんですよ。この前、出勤日に現場には行かず試験勉強していいって言われて本社で勉強してたんですけど、バカ体調悪くなっちゃって!知恵熱出ちゃいましたもん。(笑)まだまだ伸び代だらけなんで、どんどん成長していきたいです。
ーーー最後に、今後花和産業でどんな人と一緒に働きたいか、教えてください!
山口:「稼ぐぞ!」っていう原動力があって、コミュニケーションが取れる人。それさえあれば、仕事自体はやってるうちに覚えられます!
佐々木:自分で指揮をとってやりたい人。学歴も年齢も関係なく、早い段階で仕事を任せてもらえるので。やる気があれば十分じゃないかな。