人生の3分の1は仕事。だからこそ、最高に楽しめる環境を自らの手でつくる

シルバー

written by 五十嵐清美

株式会社新建築

異業種からの転身、そして“建築の変態”な社長と共に歩む14年。現場監督・中村が語る、別荘建築の奥深さと新建築のリアル。

中村 耕司(なかむら こうじ)

建築部 監督。小諸市出身。自動車販売や飲食業など、建築とは異なる分野でキャリアを積んだ後、13年前に新建築へ入社。未経験から現場監督としてのキャリアをスタートさせ、現在は多くの別荘建築・木造建築の現場を指揮する。

営業職から、職人たちの世界へ。異色のキャリアスタート

 

ーーーこれまでのご経歴を教えてください。

 

出身は長野の小諸市で学生時代をこのエリアで過ごしました。東京や横浜で10年ほど、自動車の営業や飲食業など、建築とは無縁の仕事をしていました。地元である小諸に戻ってきたタイミングで、今の社長に「お前、明日から働きに来い」と声をかけられたのが全ての始まりです。

実は社長は中学時代の先輩でして、学生時代からご自宅に入り浸っていたような間柄でした。当時はまだご実家が貸別荘の運営などもされていて、そこでアルバイトをした経験はあったものの、本格的な建築のプロとしてのキャリアはゼロからのスタートでした。

 

ーーー学生時代から距離の近い関係だったのですね。とはいえ、未経験で建築業界、それも現場監督という責任ある立場は、ご苦労も多かったのではないでしょうか?

 

正直、大変でしたよ(笑)。アルバイトをしていた頃から新建築には良いお客様が多くて、「すごいな・・」と思わず息を呑むほどの建物を建てる技術力があったので、自分に務まるのかと一抹の不安もありました。しかも、当時はまだ「技術は見て覚えろ」という職人気質な風潮が色濃く残っていた時代。手取り足取り教える教育制度があったわけではなく、「現場で身体を動かして覚えろ」という実践主義でした。

ただ、私には営業職で培ったコミュニケーション能力がありました。現場では10時と15時に職人さんたちと一緒にお茶を飲みながら休憩を取るのですが、そこで仕事とは関係ない話をしながら、相手の人となりを知るようにしたんです。「この人のためなら一肌脱いでやるか」と職人さんに思ってもらえるような信頼関係を築くこと。それが私の生存戦略でした。

 

 

会社が与えてくれた「一棟入魂」のチャンス

 

ーーー入社してから現在に至るまで、特にご自身の成長を感じたエピソードはありますか?

 

一番印象に残っているのは、入社5〜6年目の頃、初めて自分一人で現場を任せていただいた時ですね。

その時、会社が粋な計らいをしてくれたんです。「とにかくこの一棟に集中してみろ」と、他の現場を掛け持ちさせず、その案件だけに専念させてくれました。通常、一人の監督が一つの現場にかかりきりになるというのは、経営的な効率を考えれば利益が出づらいはずなんです。

 

ーーー効率よりも、中村様の育成と品質を優先されたのですね。

 

そうなんです。「利益は二の次でいいから、この一棟で全ての工程を完璧に学び取れ」というスタンスで任せてくれた。これは非常に勉強になりましたし、会社の懐の深さを感じました。

分からないことがあれば、社内の人間や協力業者の方々に恥を捨てて聞きまくり、必死で完成させました。無事にお引渡しができた時の安堵感と、お客様の喜ぶ顔を見た時の感動は、今でも忘れられません。

 

 

社長は「サイコパス」!? 妥協なき情熱が生む信頼関係

ーーー中村様から見て、小林社長はどのような方ですか?

 

言葉を選ばずに言うならば……「サイコパス」ですね(笑)。

 

もちろん、良い意味で、ですよ。ポジティブに変換するなら「建築の変態」でしょうか。本当に仕事と建築が好きなんです。昔から虫と宇宙が好きだったり、とにかく探究心がマニアックなんです。

常に建築のことばかり考えている方で、建築への凄まじい責任感と愛情があるのだと思います。真摯に仕事に向き合っている人間に対しては正当に評価してくれますし、実は社員のことを誰よりもよく見ている人だと思います。

 

ーーー建築への深い愛情とプロ意識があるのですね。

 

そうですね。私たち社員が成長して、社長が社長業に専念できるように、もっと仕事を奪っていかなければならないと思っています。

 

 

「流れ作業」では味わえない。別荘建築ならではの醍醐味

ーーーこの仕事の「やりがい」や、新建築ならではの「楽しさ」はどのような瞬間に感じますか?

 

私は同じことを繰り返すのが苦手なタイプなんです。しかし、別荘建築の現場監督は違います。毎回異なるデザイン、異なる立地条件の中で、自分で段取りを考え、信頼できる職人さんを手配し、頭を使ってパズルを組み立てていく。この「創造的なプロセス」が毎回新鮮で、飽きることがありません。

 

一番心が震える瞬間は、建物が完成し、お引渡しの前日です。

夕暮れ時、全ての照明を点灯させ、美しく仕上がった建物を社長と一緒に眺める。「いやあ、終わりましたね」「綺麗にできましたね」と語り合うあの瞬間。全ての苦労が報われる、至福の時間です。

 

ーーー今後の展望や、中村様がチャレンジしたいことはありますか?

 

会社としては「伸び代」しかないと思っています。現在はBIM(3Dモデルに建築情報を付与するシステム)の導入など、DX(デジタルトランスフォーメーション)にも挑戦しようとしています。建築業界はまだアナログな部分も多いので、最新技術を取り入れることで、職人さんへの指示もより明確になり、仕事がさらに面白くなるはずです。私自身もBIMを使いこなし、新しい建築の形を模索していきたいですね。

 

 

未来の仲間へのメッセージ

 

ーーー最後に、これから新建築で一緒に働くかもしれない方へ、メッセージをお願いします。

 

人生の3分の1以上は働いている時間です。残りの3分の1は寝ていると考えれば、起きている時間の多くを仕事が占めるわけですから、その時間は楽しく過ごした方が絶対に良いですよね。

建築業は「きつい」というイメージを持たれがちですが、自分で考えて動けるようになれば、日々成長を感じられる本当にクリエイティブな仕事です。

「仕事をやらされている」と思うのではなく、「どうやったら楽しめるか」を考え、自分で最高の環境を作ってしまえばいい。明るく、元気に、そして自分らしく。そんなスタンスで、気楽にこの奥深い別荘建築の世界に飛び込んできてほしいですね。

 

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【編集後記】

「仕事は楽しい方がいい」と語る中村様の言葉には、14年の経験に裏打ちされた説得力がありました。厳しい局面もユーモアとコミュニケーションで乗り越え、会社もそれを「一棟入魂」の精神でバックアップする。新建築には、本気で建築を楽しみ、プロフェッショナルとして成長できるフィールドが広がっています。

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